手順①の段階では、多くの学生が壮大なテーマを考えがちです。例えば、「少子高齢化の進行を食い止めるための方策」「貧困の問題を克服するための方策」「日本の経済成長のために何が必要か」などです。これらのテーマはもちろん大変重要ですが、卒業論文のボリュームで議論を尽くすことはできません。もっともっとテーマを絞り込んでいくことが必要です。

 ただ、どう絞り込んでいいのかも頭をひねっているだけではなかなか出てきません。そこで、基本的な文献を何冊か読んでみることをお勧めします。代表的なものは新書です。新書はあるテーマについて、読者にわかりやすく、かつ、最新の研究成果を交えながら論じているものです。したがって、新書を読めば、そのテーマについてどんなことが議論されているのか、どんなテーマが重要なのかうぃしたがって、新書を読めば、そのテーマについてどんなことが議論されているのか、どんなテーマが重要なのかを把握することができます。

 もちろん、著者によって主張の内容も違ってきます。そこで、何冊かの新書を読んでみるのです。主張や視点の異なる新書をいくつか読むことによって、いろいろな考え方があること、これらを比較して自分がどう思うかも明確になることなど、メリットはたくさんあります。新書を2冊読めば効果は2倍どころか4倍、3冊読めば効果は3倍ではなく9倍になると思います。

 まず基本書を3冊、自分で選んでみて、あるいは、ゼミ指導の先生からお勧めの基本書を聞いてみて、読み比べてみましょう。そのテーマについて立体的に全体像を把握することができるとともに、いろいろな意見を自分なりに評価することができると思います。そうしたプロセスの先に、自分が考えたいテーマや自分の言いたいことが浮かび上がってくると思います。

 ただし、本当にそのテーマで良いのかは、ゼミ指導の先生に確認すると良いでしょう。「卒業論文になるテーマ」にするには、ゼミ指導の先生からアドバイスをもらった方が良いと思います。