卒業論文に必要な文字数は20,000~30,000字くらい、大学によって異なるでしょうが、おそらく多くの学生は今まで書いたことのない文字数だと思います。なので、早めの準備が必要なのですが、3年生のうちは「まだ1年もあるから大丈夫」と、なかなか気合が入りません(それも多少仕方ないと思います)。ですが、4年生に入ると就職活動で忙しくなり、卒論はおろか授業やゼミにも支障が出てきます。そして、就職活動を終え、ホッとしているうちに夏休みも終わってしまうと「残りの学生生活の思い出づくりもしたいけど、卒論も書かないといけない。どうしよう」「適当に書いて出すしかない」「先生助けて‼︎」となってしまいます。

 私もそうですが、論文を完成させるプロセスで「書く」のに必要な時間と労力は後半の一部、全体の半分以下でしかありません。ここで、私がどんな手順で論文を書くか、かける時間と労力の割合はどのくらいかを紹介します。

 手順①(10%)テーマを考える
 手順②(10%)おおよその構成を考える
 手順③(20%)情報を集め、論文に必要な部分を抜き出していく
 手順④(20%)集めた情報を基に、テーマと構成を確定する
 手順⑤(30%)文章を書く、図表を作成する
 手順⑥(5%)書きながらテーマや構成に修正が必要となった場合は修正する
 手順⑦(5%)文章を見直し、図表の配置と脚注・参考文献の表記を行い、無事完成

 およそこんな感じです。「書く」部分は手順⑤で、全体の30%程度です。最後の完成まで含めても40%にしかなりません。裏を返せば、「書く」前の準備つまり「段取り」に60%の労力と時間がかかっているのです。準備としての段取りをしっかりしていれば、書くことはそれほど大変ではありません。