連載企画:誰でも無理なく合格できる!公務員試験の勉強術(第4回)「公務員試験対策は「WBC」ではなく「ペナントレース」のつもりで」
WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で日本が優勝し、大きな感動を呼びましたが、すでに日本のプロ野球やアメリカのメジャーリーグも開幕し、WBC選手の活躍や不振が日々報道されています。地元・福井出身のレッドソックス・吉田正尚選手が不振にあえいでいることはやや心配ですが、今日の試合には出場する予定で、休養明けの活躍を期待したいところです。
公務員試験の勉強を本格的に始めようと意気込んでいる学生も多いと思います。これまでさまざまな試験を乗り越えてきた経験はとても貴重ですが、公務員試験は長い期間働くための関門であり、試験の最終ゴールとも言えます。これまで成功してきた人もここで失敗するのは大きな損失になりますし、これまで失敗してきた人には挽回の決定的なチャンスです。いずれの方にも半端ないくらいの気合いが入ると思います。
そこで、公務員試験を始めるに際して、「WBC」ではなく「ペナントレース」に見立てて勉強を進めてほしい、ということを述べたいと思います。WBCは大きな大会ですが、短期決戦で準備も試合も時間をかけられません。もちろん優勝の価値や喜びは大きいのですが、終わった後のケアも大変です。あのイチロー選手でもWBCの優勝後に不振に陥りましたし、今回も吉田選手だけでなく国内の選手が相次いで戦列を離れる事態となっています。公務員試験は短期決戦ではないので、こうした準備は良い結果をもたらさないのではないでしょうか。
長い期間の決戦は、まさに野球の「ペナントレース」です。期間は約半年、試合数も150試合に及びます。その中で、好調や不調の並があり、順位が変動して、最終的に勝率の高いチームが優勝するのです。そのため、「ここは負けても影響が少ない」とか「この季節は調子が下がる」といったことも織り込みながら戦っていきます。WBCの「負けたら終わり」とは対照的です。
ですから、公務員試験でも、初めから飛ばす必要はありません。むしろ、ゆったりスタートするくらいの感覚で良いのではないでしょうか。まずは低いハードルを乗り越えて成功体験を積み重ね、「どこまで上げても大丈夫か」を試行錯誤しながら少しずつハードルを上げていけば良いのです。理想を追い求めるとロケットスタートを夢見てしまい、それができないと落ち込み、かえって大きなブレーキがかかってしまいます。積んでいるエンジンの性能を確かめながら、無理のないスピードで続けることの方が大切です。
野球が好きな人は、自分が監督になったような気持ちになって、長いペナントレースを乗り切るためにどのようなペース配分を取れば望む結果が得られるか考えると、興味を持って勉強できるかもしれません。応援しているチームと重ね合わせて、勉強を少しでも楽しく、負担のない形で進めてください。