連載企画:リアル体験!地方公務員の仕事紹介「庁舎内で繰り広げられる「ビジネス」とは ?」
地方公務員の職場は市役所や県庁ですから、基本的にお金を稼ぐ仕事ではありません(もちろん経営感覚や税収を意識する仕事はありますが・・・)。お金を稼ぐ場としては、せいぜい売店や自販機・食堂くらいなのですが、実は庁舎内で激しく行われているビジネスがあります。職員は「お客様」として、そのビジネスに関わることになります。具体的に私が職場で経験したことを述べたいと思います。
まずは、「ヤクルト・ヨーグルトの販売」です。毎日、注文した商品を昼休みに配達してくれます。保管が大変なので家から持っていくことが難しく、健康のために必要な方に販売するスタイルです。確かにスーパーで買うよりも高いですが、新しいものを持ってきてくれるのはありがたいです。私は注文しませんでしたが、ベテランの方は多く利用していました。
同じように「雑誌の販売」もありました。書店に行かなくても定期購読の雑誌を持ってきてくれるので、これもありがたいです。ただ、今では「dマガジン」など電子化されているので、雑誌の注文は今やほとんどないのではないでしょうか。
次に「保険・書籍」です。これらはまったく別の分野ですが、やはり販売員の方が定期的に訪れ、勧誘や相談などで庁舎内を回っています。私も新人職員の時に「将来のために保険は入っておかないと」とか「本を読んで勉強して頑張らないと」とか言われ、どちらも買うことになりました。確かにそのとおりなのですが、後で振り返ると保険は少し高かったかな、とも思います。また、書籍は不要なものもあったな、とも思います。今でもおつき合いのある方もいるので良い経験ではありましたが、人によっては何も知らない職員の弱みにつけ込んで高額な買い物をする羽目になりかねないので、注意も必要です。先輩も教えてくれると思います。
最後に、「銀行」です。ボーナスの時期になると、預金獲得のために銀行の方が来ます。「利率も良いので、ぜひうちの口座に預金してください」ということです。貯金は買い物ではないので後で悔やむことは少ないですが、最近は投資を呼びかけられることがあるかもしれません。銀行は基本的に信用も高いですが、手数料の高い投資信託などを推してくることも多いと聞くので、しっかり調べることが大切です。
このように、公務員の職場にもビジネスの戦場があります。しかも、公務員は社会的信用も高いので、支払いが遅れることも無茶なクレームもない「優良顧客」です。特に新人職員の方には、何も知らず周囲の言葉を素直に聞く状態にあるので、格好のターゲットとなりやすいです。もちろんこうした商売は行政機関の許可を得て行われているので悪徳なものはありませんが、特に保険や投資などは長い付き合いとなるので、販売員のペースに流されることなく、慎重に判断してほしいと思います。