連載企画:誰でも無理なく合格できる!公務員試験の勉強術(第7回)「「これからの40年」のために「目の前の数か月」を乗り切ろう」

 ゴールデンウィークも明け、公務員試験も前半のピークを迎えることになります。良い調子で勉強している人にとっては「早く本番が来てほしい」と思うでしょう。逆に、まだ準備が足りないと思っている人には「もっと本番まで時間があればいいのに」と思うかもしれません。いずれにしても、試験本番にピークの状態に持っていき、最高のパフォーマンスを発揮したいものです。

 同時に、試験本番という緊張感も高まってくると思います。それに伴って、「自分は合格するのだろうか」という不安も大きくなってきます。どれだけ準備を積み重ねた人でも、同じです。むしろ、合格できる力を持っている人ほど、こうした不安がプレッシャーとなって、試験本番でミスをしてしまうことへの恐怖感が大きいのではないでしょうか。オリンピックでも、金メダルの本命と言われていた選手が本番でミスをしたり実力を発揮できずに敗れるシーンを何度も見てきました。世界レベルのアスリートでもそうなのですから、私たちもそこから逃れることは不可能でしょう。

 ここから先は、不安との戦いです。特に、これからペースアップしていかなければならない人には、受験を断念するケースも出てきます。「民間企業志望に切り替えるなら今が最後のチャンス。公務員試験に自信がないから、あきらめよう」という気持ちに陥ってしまうのです。もちろん、民間企業に魅力を感じで前向きに方針転換するのは良いと思いますが、試験に合格しそうにないから公務員を諦めて民間企業に逃げ込むような姿勢は、好ましくありません。民間企業に就職しても、大なり小なり公務員への未練が残ってしまうのではないかと思います。

 そこで、ここしばらくは公務員試験断念に流れてしまうのを、何としても食い止めなければいけない時期になります。特に、不安は大きいけれども公務員になりたいという方には、大切な時期です。そこで、今回は「これからの40年」を考えることをススメたいと思います。

 「これからの40年」とは、公務員になって定年退職するまでの期間です。公務員の魅力は仕事内容だけでなく身分保障も大きいので、定年退職まで務める予定の人が多いでしょう。つまり、公務員試験に合格すれば40年もの長い間、公務員として働くことができるわけです。これほど長い期間のポジションを得られるのであれば、試験本番までの数か月など「あっという間」のことになります。逆に、ここ数か月の期間だけで進路をあきらめることは、これからの40年を失ってしまうことになってしまいます。そう考えることで、試験本番までの困難な道のりを乗り切ることができるのではないでしょうか。

 私は公務員を14年で退職しましたが、受験した時は定年退職まで務めるつもりでした。そして、公務員として働いていた頃は「あの時頑張って良かったな」とつくづく感じたものです。はるか昔の苦労など忘れてしまうほど、仕事に恵まれました。私が公務員試験に本腰を入れて勉強したのはわずか数か月と短かったのですが、非常に密度の濃い勉強をしました。もちろん大変でしたが、その時の経験は今も自分の財産になり、公務員の仕事、そして現在の大学教員の仕事に生きています。

 試験本番まで残りわずか、不安も大きくなり「逃れたい」という気持ちも出てくるかと思いますが、ぜひ「これからの40年」を想像して、乗り切っていただきたいと思います。

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