連載企画:リアル体験!地方公務員の仕事紹介「地方公務員は有給休暇を取りやすい?」
ゴールデンウィークが終わったばかりですが、休みは非常に貴重な機会です。仕事の疲れを癒し、気分転換を図ることができます。そして、それが休日明けの仕事も前向きな気持ちで取り組むこともできます。公務員は基本的に週休2日で、祝日も休みなので、定期的にリフレッシュの機会はあることになります。
しかし、急に休まなければならない時や休みたい気持ちになる時があるのも事実です。その時に休めるのが有給休暇です。とてもありがたい制度なのですが、周囲が仕事をしている中で自分だけが休むことになるので、「職場に迷惑をかけないか」「休みを了承してくれるのか」など、不安に思うところもあると思います。そこで、今回は地方公務員の有給休暇について、私の経験も交えて説明したいと思います。
地方公務員の有給休暇は、1年間に20日与えられています。取得しきれなかった分は翌年に繰り越すことができ、最大40日となります。なので、単純計算すれば毎月1回以上は有給休暇を取ることができるわけです。公務員の平均取得日数は約15日なので、全部使っているわけではないようです。とはいえ、毎月1回以上の有給休暇は実際にも取れていることになります。
有給休暇取得の理由は、特に問われません。単に「休みたいから」でも大丈夫でしょう。ただし、上司の了解を得る必要があるので、一応それなりの理由があると良いです。多くの場合、「体調不良」「子どもの行事」などで十分です。実際、私も有給休暇の多くをこのような理由で取得しました。年度末で退職する予定の職員が、残っている有給休暇を全部使って2月末から来なくなる、ということもあるようです。
子どもの行事は、子育て中の多くの公務員が同じ日に取得するので、授業参観や運動会などの会場で会うことも多々あります。また、体調不良は朝起きたら調子が良くない・・・といったこともあるので、始業時間の前に部署に連絡して有給休暇を取得することを伝えておく必要があります。そして、有給休暇は誰でも取得できるものとはいえ、仕事に戻った際には上司や周囲に休暇を頂いた御礼の気持ちを伝えるようにしたいものです。
また、有給休暇は半日など細かく取得することも可能です。午前中だけ、あるいは午後だけ休むといった形です。その場合は、0.5日の休暇となります。病院などに行く場合は午前中だけ休みをいただくこともありますし、遠出をする場合には午後から休みをいただくようなこともあります。個人的な感覚としては、午後の有給休暇の方が得した気分です。午前中だけの休みでは、午後から仕事に行くことが気になりますし、午後の休暇は午前中の仕事が終わればその日は仕事から解放されるからです。
もう1つ知っていただきたいのは、繁忙期は有給休暇が取れないケースもある、ということです。有給休暇はまったく無条件に取得できるものではなく、場合によっては仕事の都合で認めてもらえない場合もあります。ただ、さすがに体調不良でも「仕事に来い」とまでは言われませんし、「子どもの行事に行くなんて無責任だ」などと言われるようなこともありません。
仕事のプロとして心がておきたいのは、急な有給休暇にも対応できるよう早めの仕事を心がけること、子どもの行事など早くから予定が決まっている場合は有給休暇が取れるよう仕事を済ませてとくこと、などです。遅刻しないよう時間に余裕を持って移動する、という心構えに似ていると思います。
また、レジャーなどは繁忙期を避けて予定を立てておくことを勧めます。配属された部署ごとに異なりますが、繁忙期と閑散期は年度の初めにだいたい分かります。先輩や上司に聞くと教えてくれるでしょう。なので、例えば有給休暇を使って旅行などに行く場合は、年度の初めに閑散期を確認しておいて、その期間に行くのが望ましいです。そして、連続して有給休暇を取得する場合は早い段階で上司に相談し、了解を得ておくと良いでしょう。例えば、今の時点ならば夏休みや秋の予定などを考えておくことになります。
いずれにしても、地方公務員にとって有給休暇は貴重な機会です。取りにくいことはありませんので、有意義に活用していただきたいと思います。