連載企画:誰でも無理なく合格できる!公務員試験の勉強術「独学にするか予備校に行くか」
地方公務員をめざす方は、試験対策をしなければいけませんが、ここで悩ましいのは「独学にするか予備校に行くか」の選択です。最近の傾向は予備校が多いようですが、独学でも合格することは十分可能です。ただ、独学でも予備校でも大切なのは、「自分に合っているかどうか」です。そろそろ本格的に勉強を始める方で、予備校に行こうか迷っているならば、次の3つの点を考えて選択するのが良いでしょう。
第1に、自分は自己管理が得意か不得意なのか、ということです。予備校の場合はスケジュールが用意されるので、それに合わせれば基本的に問題ありません。自己管理や自分でスケジュールを考えることが得意ではない人には、予備校が良いでしょう。例えば、学校の宿題やレポートなどをギリギリまで放置してしまい、前日に慌ててやる、というような人です。公務員試験は、それでは合格できないので、予備校のスケジュールに乗るのが良いです。
逆に、自分でスケジュールを組みたい人は、予備校は合わないかもしれません。特に、これから勉強を始める大学3年生の方は、必ずしもスタートが早いわけではないので、少しペースアップする必要があります。自分のペースで勉強すべき場合、勉強したい場合は、独学の方が自由度が高いと言えます。つまり、自己管理ができれば、独学の方が合っていることになります。私の場合は、勉強を始めたのが4年生のゴールデンウィーク明けとメチャクチャ遅かったので、独学しか方法がありませんでした。でも、その方が自分には合っていましたし、短期間だからこそ集中力を高めて、独学できたのだと思います。
第2に、サポート環境です。大学生の方は、通っている大学がインターンシップやエントリー、模擬面接など、就職活動に関するさまざまなサポートをしています。もちろん公務員試験対策も含まれていますが、大学によって内容は多様です。大学のサポートに不安があれば、予備校のサポートを活用するのが良いでしょう。予備校では個別の相談から小論文の添削など、さまざまなサポートを受けられます。特に最近は、面接や小論文の重要性が高まっているので、このサポートは重要です。ただし、大学でサポートが十分ならば、予備校まで使う必要はない、とも言えます。
第3に、仲間と情報です。予備校には、同じ目標を持つ仲間がたくさんいます(同じ志望先の場合は倒すべきライバルになるかもしれませんが、基本的には仲間です)。悩んだ時や落ち込んだ時は、お互いに励まし合うことで、公務員試験を乗り切る力を与えてくれます。また、情報については、過去の合格者から集めた試験の細かい情報が予備校に蓄積されています。予備校に入れば、それを見て優位に立てる可能性が高いです。もちろん、大学にも公務員試験をめざす仲間や試験の情報はありますし、SNSなどでも得ることはできますが、やはり予備校の方が量・質ともに勝っていると思います。
私は決して「予備校でなければ合格しない」と訴えるつもりはありません。独学でも十分に合格できます。ただ、予備校が合う人、合わない人がいるので、合う方を選んでほしいです。独学が合うのに「予備校に行かないと合格できない」と思い込んで予備校に行っても、合格する可能性は高くなりません。あくまで自分の環境や特徴を見つめて、決めてほしいと思います。
なお、費用の面で予備校は独学よりも高いのですが、その差は大きくありません。地方公務員として就職すれば、予備校にかかる費用は最初の年のボーナスでお釣りがくる程度です。地方公務員として就職する場合、保護者の方も嬉しいはずですから、金銭面で応援してもらい、就職した後の「出世払い」で楽に返すことができます。なので、予備校と独学の比較は、金銭面についてはほとんど考える必要はないと思います。