連載企画:リアル体験!地方公務員の仕事紹介「部下から見た「良い上司」3つの条件」
地方公務員の職場で、人間関係はとても大切です。特に上司のとの相性は、仕事を進めるあらゆる場面で大切になってきます。上司との相性が良ければ、どんな仕事の話でもコミニケーションもしやすくなりますが、相性が良くなかった場合には、こちらが正しいことを言っていても、聞いてくれない場合があります。上司も人間なので、正論が通るとは限らないのです。もちろん、人によって相性はそれぞれなので、どのような上司が良いのかは一般論は必ずしもありません。今回は、私が感じた良い上司の3つの条件を取り上げたいと思います。
第一の条件は、早く仕事が終わったら早く帰ってくれることです。自分が部下だった場合、上司が遅くまで仕事をしているのに、自分だけが帰るのは気が引けます。何かサボっているような感覚にもとらわれてしまうのです。これは、上司と部下の相性が良いほど早く帰ることに気が引けてしまうかもしれません(相性が合わない上司なら、早く帰っても「自分には関係ない」と考えるでしょう)。そこで、むしろ率先して早く帰ってくれる上司であれば、部下も早く帰ることに遠慮しなくて済みます。幸いなことに、私の場合はそういう上司に恵まれましたが、以前は部下が帰るときに嫌悪感を出す上司もいたようです。最近は働き方改革で残業時間には特に神経質になっているので、こうした事はだいぶ少なくなったかもしれません。しかし、今も上司が残っていれば帰りにくい環境になってしまうので、早く帰ってくれることが良い上司の第1の条件だと思います
次に、部下のチャレンジを認めてくれることです。若い部下は、当然経験も少ないので、様々なことに取り組むことで経験を重ねていきます。その際、過去のやり方をそのまま引き継いでいくことも大きな問題はありませんが、自分なりの足跡を残したい、自分自身で新しい工夫をしてみたいという気持ちから、今までにない方法に取り組む部下も多くいます。その時、上司がそれを認めてくれるかどうかが、大変重要なのです。特に、大きな変更を伴う場合は上司が了解してくれない場合があります。上司には、部下が何らかの失敗をして責任を取りたくないと言う気持ちがあるからです。特に定年までの期間が短い上司ほど「このまま大きな過ちを犯すことなく、退職したい」という気持ちがあるので、部下のチャレンジに対して消極的になる場合があります。かつて織田裕二さん主演のドラマ「踊る大捜査線」という「映画で責任を取るのが上司の仕事だ」と言う上司(柳葉敏郎さん)の名言がありましたが、こうした上司はに巡り会えることは、地方公務員の世界ではなかなかありません。しかしこのような姿勢を持っていること、部下にとっては良い上司の条件になると思います。
最後の条件は、部下に成長を実感させることのできる上司だと思います。上司は経験が多い分、部下よりも仕事のスキルが高く、視野が広いなど、部下に対する優位性を持っています。しかし、だからといって上司の指示だけが絶対というわけではありませんし、部下も経験を重ねて成長していかなければいけません。そうした時に、良い上司は部下の提案に対して「自分でも思いつかなかった」「君には負けたよ」などと言ってくれれば、部下はがぜんやる気を出すことができます。もちろん、それを何でもかんでも、また、すぐに言う必要はありません。また、上司の本音はそうでは無いはずで、多くの経験と知識を踏まえ、もっと良い考え方や方法を持っているかもしれません。しかしそれはあえて出さず、部下の成長を実感させる言葉を意図的に発することによって成長を促していくのです。負けたふりをする上司が最後の条件だと思います
職場の人間関係は、実に複雑な要素で成り立っているので、上記の3つだけが上司の条件ではありませんが、私が自らの経験を踏まえて、真っ先に思いついたものを3つ挙げさせていただきました。参考になれば幸いです。