連載企画:誰でも無理なく合格できる!公務員試験の勉強術「論文対策をしっかりしてきた人がうっかり陥る「最も大事なこと」に気を付けよう!
公務員試験の合格を目指して勉強している大学3年生の皆さん、お疲れ様です。直前期の追い込みに入ってきたことで、不安と戦いながら勉強に励んでいることでしょう。一次試験から論文を課す自治体も多く、その配点も非常に高いため、論文対策に取り組んでいる方も多いと思います。論文対策については、過去問や練習問題の書籍も多く出版されており、それらに取り組むことは大切な第一歩です。
しかし、論文対策を進めている人ほど「陥りやすい罠」がある、と私は思います。大学の授業でレポートを課すこともありますが、同じようなミスをしている学生は意外と多いです。しかも、提出直前に繰り返し注意を促しているにもかかわらず、なかなか改善されないこともあります。公務員試験の論文でも同じことがあるのではないかと考え、今回はそれについて説明したいと思います。
それは、「聞かれたことに答える」という、とてもシンプルなものです。「当たり前じゃないか」と思うかもしれませんが、決してそうではありません。注意してもしすぎることはないのです。具体的には、問題文をしっかり読むこと、問題文の一言一句を見逃さないこと、さらには問題文の中に「この言葉をしっかり受け止めているかどうかが評価の分かれ目だよ」という意味を持つ表現があるかもしれないことに気をつける、ということです。
例えば、まもなく本番を迎える特別区の論文試験では、「特別区職員として何をすべきか」という形で締めくくられた問題が出題されます。ほぼ毎年同じ形なので、特別区の対策をしている方にとっては当たり前のことかもしれません。しかし、問題のテーマによって「特別区職員として」の意味はまったく変わってくるのです。つまり、国と地方の役割分担を踏まえて特別区職員としてすべきこと、区民と行政の関係を考慮して特別区職員としてすべきこと、いずれに焦点を当てるかは、テーマによって変わってくるでしょう。
さまざまな公務員試験を想定した論文対策の書籍には、特別区対策まで踏み込むことはありません。そのため、論文対策でさまざまなテーマの模範解答をマスターすることは大切ですが、それを再現するだけでは特別区対策にはならない可能性もあるのです。
したがって、論文対策は2段階に分けて考えることが良いと思います。第1段階は、テーマに関する基礎情報を学ぶことです。これはどの公務員試験にも共通する基盤となります。論文対策の書籍で十分でしょう。そして第2段階として、受験する自治体ごとに回答を用意することです。都道府県や市町村で役割は異なりますし、地域によって現状と課題、力を入れている政策も異なるので、そうしたことも頭に入れておいた方が良いでしょう。
直前期の追い込みに入りましたが、最後まで気を抜かず走り抜けてください。皆さんの合格を期待しています!