月曜コラム「公務員への道」第21回:1次試験に合格するための条件②

 今回は、暗記が必要な科目について、少し踏み込んだことを述べたいと思います。合格するには、次のような条件がある、と述べました。

 ①基礎知識を習得する
 ②出題パターンを知り解き方を習得する

 暗記が必要な科目は、暗記をしていなければ正解できないということは、ある意味で当然のことです。しかし、あくまで択一式ですから、細かい点まで正確に覚えていなければ絶対に得点ができない、というわけではありません。例えば、人名はや法律の内容を正確に書かなくても、だいたい覚えていれば正解はできます。日本の初代内閣総理大臣は「伊藤博文」ですが、これを「伊東博文」と惑わすような選択肢が出てくることはありません。そこで、「初代=いとう」くらいで覚えておいても、ほぼ正解できます。

 したがって、基礎知識を習得するといっても、正解できる範囲であれば曖昧でも許されるのです。「それでは勉強した意味がない」と思われるかもしれませんが、目的は公務員試験に合格することです。しっかり勉強して余計な時間と負担をかけた結果、公務員試験に不合格となっても良いのならば構いませんが、そうではないはずです。

 また、出題パターンを知ることも暗記対策のために重要です。先ほどの例でいえば「初代内閣総理大臣は伊藤博文である」が正解ですが、そうした選択肢があった場合には別の(=不正解の)選択肢に「2代目内閣総理大臣は山形有朋である」といった、まぎらわしいものがあるパターンが多いです(ちなみに、正解は黒田清隆です)。したがって、基礎知識を習得する際には、この場合は「初代=いとう」「2代目=くろだ」とセットで覚えておくと良いでしょう。1つずつ覚えるよりも間違いを防ぎやすいと思います。

 なお、出題パターンには、選択肢の言葉を入れ替えるとどちらも正解になるような場合もあります(例えば「初代内閣総理大臣は黒田清隆である」と「2二代目内閣総理大臣は伊藤博文である」という選択肢があり、黒田と伊藤を入れ替えればどちらも正解になります)ので、余計にセットで覚えた方が良いでしょう。

 なお、公務員試験の過去問を解いて「正文化」することが重要、と述べている参考書もあります。「正文化」とは、選択肢の文章のどこが間違っているかを探し、それを正しく修正することを言います。それも確かに大切だと思いますが、私は何が間違っているかが分かればそれくらいで良いのではないか、と思っています。

 なぜならば、多くの場合、暗記が必要な科目で正解を導くのは消去法になるからです。しかも、明らかに間違いとは思えないものもいくつかあるので、最も間違いに見えない選択肢を正解として選ぶことも多いのです。「正文化」にこだわりすぎると、暗記の負担が重くなってしまいますし、どう修正してよいか分からないと誤りと判断できなくなってしまうかもしれません。試験本番では時間が限られているので、スパっと割り切ることも求められてきます。「正文化」にこだわりすぎず、多少あいまいな記憶でも十分、と思うくらいがちょうど良いのではないでしょうか。

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