水曜コラム「今週前半のニュース」第7回:地元食材を集めた新メニューに期待
今週前半も多くのニュースにコメントをしましたが、今回は次のニュースを改めて取りあげたいと思います。
敦賀開業へ昆布の新メニューで勝負 敦賀で試食会、レシピを市内配布へ
※ログインが必要な記事なので、募集の際の記事を下記に紹介します。
敦賀の昆布でメニューを 市内飲食店など対象 市、25日まで募集
このニュースについて、私は次のようにコメントをしました。
敦賀の特産が一気に食べられる組み合わせ。まさに「地元オールスターグルメ」「ドリーム地元グルメ」!各地で開発競争が広がり認知度も上がってほしい。
地元を観光で訪れる時に、最も魅力なのは「食」だと思います。地元の特産品を、地元の調理方法で、地元の自然や景観・雰囲気を楽しみながら食べる、最も思い出に残るのではないでしょうか。
地元の魅力的な食材は、驚くほど多くあります。今回紹介している福井県敦賀市でも、ソースカツ丼(福井名物ですが、敦賀も少し違ったソースカツ丼があります)を始め、敦賀ふぐ、敦賀ラーメン、おぼろ昆布、東浦みかん・・・など、数え切れないほどです。ただ、「敦賀と言えば・・・」という決定的なものがなく、どれをイチオシにして良いか困ってしまうこともあります。ないものねだりですが、「何が強烈なものが1つでもあれば・・・」とも思ってしまうものです※。
※ただし、逆に目玉の観光資源のあるところでは、「それしかない」と思われてしまうのが悩ましい、ということも聞きます。本当はいろいろ良いものがあるのを知って欲しいのに、なかなか認知されない、というのです。どちらにも悩みはあるものだと思います。
今回の試みは、地元の魅力的な食材を贅沢に使って1つのメニューを作ろう、というものです。私は以前から、こうした方法があることを考えていました(決して「私が先だ」と言いたいわけではありません)。福井県には三方梅という梅干しがあり、また、コシヒカリ発祥の地でもあります(ポスト・コシヒカリとなる「いちほまれ」も美味しいです)。そこで、福井の最高の食材で梅干しのおにぎりができるのです。若い方は梅干しのおにぎりは好まれないかもしれませんが、私のような世代の人間には「おにぎり=梅干し」です。梅干しとコシヒカリという単品ごとに売るのではなく、このように組み合わせればもっと大きなアピールができるのではないか、食材に決定打がない地域の戦略になるのではないか、と密かに考えていました。
このニュースは、さらにレシピまでオリジナルですし、農業だけでなく漁業も加わっていること、さらに地域の飲食店も関わっているので、多様な要素を組み合わせた六次産業化の政策としても有益な情報ではないでしょうか。オリジナルのメニューだけに魅力をどう発信していくかが問われますが、成功すればそれぞれの食材が改めて注目されるでしょうし、さらに新しいメニューが出てくることも期待されます。
コメントでは「オールスター地元グルメ」「ドリーム地元グルメ」(ネーミングセンスがないですが)と表現しましたが、まさに地元食材のすべてを贅沢に盛り込んだ最高のメニューを期待しています。また、「B級グルメ」「ゆるキャラ」のような地域起こしの大きなムーブメントにもなりそうな題材だと思います。これからの動きに注目していきたいと思います。