金曜コラム「文章、プレゼンの基礎」第2回:キーワードを明確に

 文章やプレゼンに触れる機会は、職種に限らず多い。特に、新しいことを積極的に行う職種では、そうだろう。もちろん、文章やプレゼンに触れる機会の少ない職種でも、他の仕事がある中で限られた時間と機会でプレゼンや文章に向き合うことになる。したがって、1つ1つの文章やプレゼンに、受け手として深く関わっている時間は決して多くない。

 そうした点を踏まえて、伝える側は文章やプレゼンでどう対応すれば良いか。大切なのは、一言で伝わる「キーワード」を前面に出すことである。

 キーワードは1つの単語だから、受け手は最小限の記憶で良く、負担が少なくて済む。しかも、いったんキーワードを思い返せば、それを突破口として眠っていた記憶も蘇ってくる。カラオケの曲を選ぶ時に曲が思い出せなくても、最初の歌詞がワンフレーズ紹介されているから、それを見た瞬間にメロディが蘇ってくる。それと同じだ。

 キーワードは、できるだけインパクトのあるものが望ましい。その方が差別化しやすく、誰の文章やプレゼンかが特定しやすくなるからである。それをタイトルに入れておくのも良いだろう。

 なお、レポートや小論文試験などでもキーワードは重要である。ただし、この場合のキーワードは、文章やプレゼンでのキーワードの役割とは違う。

 レポートや小論文試験は模範解答があるような文章である。だから、欠かすことのできないキーワードが必ずある。大量の採点をしなければならず、人によって評価にバラツキが出てしまいがちなレポートや小論文試験では、キーワードがあるかないかで採点した方が効率的かつ明確で、人によるバラツキも少なくなるからである。

 ただし、この場合のキーワードは強調しなければならないわけではない。あくまでも採点の判断基準と捉えるべきだ。テーマによっては複数のキーワードが必要になる場合もあるから、シンプルでなくても良い。

 このように、文章やプレゼンでは、キーワードを軸に相手との接点を創り、広げていくことをススメたい。

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