連載企画:面接で差をつける!地方公務員の注目ニュース

 このコーナーでは、今週ツイートしたニュース記事の中から特に印象に残った1つをピックアップして、掘り下げてみたいと思います。
 今週は、次の記事を取り上げたいと思います。

「役所勤めなら安泰か」公務員の出世と身の処し方
エリートコース官房系と事業系は何が違うのか

https://toyokeizai.net/articles/-/655646?display=b

 この記事について、私は次のようなコメントをしました。

 地方公務員の仕事は多種多様で、正確性を最優先する仕事もあれば、創造力が問われる仕事もある。減点主義か加点主義か、というよりも、仕事の内容に応じた評価が確立されていないことが問題ではないか。ただ、仕事によって評価を変えるのも容易ではない。

 以下、詳しくコメントします。

 人の配置は「適材適所」と言われます。その仕事に適した人材を配置する、という考え方です。特に地方公務員の場合、さまざまな仕事があるので、それぞれの部署に適した人材も一様ではありません。コミュニケーションが得意な方は、窓口業務や住民・企業との交渉・調整などを行う業務に向いていますし、数字に強い方は予算や給料・手当などを扱う業務に欠かせません。新しいことや流行が好きな方には、DXや環境対策などが適しているでしょう。

 ただ、公務員の採用試験はテストの点数で決まるので、判断基準がシンプルです。もちろんその方が尺度が明確で公平なのですが、地方公務員の仕事に合っていません。しかも、人材の配置は人事異動によって数年ごとに変わっていきます。時には自分の適性や長所を活かせない部署に配属されることもあります。職員はそれに抗することはできません(「ガチャ」と言われます)。

 仮に自分に合わない仕事をして、その評価が低かった場合、その責任は配置された本人だけでなく配置した側にも一端があるように思います。その人の適性・長所を見抜けず、不適切な配置をしてしまった責任です。しかし、評価制度はそのような仕組みになっていません。

 もちろん、いろいろな経験を積むことは大切ですし、今まで気づかなかった長所が発揮されることもあるので、結果的に適材適所になる、ということもあるでしょう。しかし、評価制度は仕事の特徴を反映して多様にすること、本人の適性・長所を踏まえたものにしないと、適切な評価ができず職員のモチベーションと行政サービスの向上をかえって妨げることになりかねない、ということには留意する必要があると思います。

 ただ、あまり突き詰めようとしても限界はあります。その結果、評価制度の活用も中途半端な形になってしまいます。やむを得ない面はあるものの、せっかく導入したものが有効に使われていないことをもったいないと思ってしまいます。

 ゴールはありませんが、評価制度の活用は、これからの時代に即して、不断の改善を望みたいと思います。

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