土曜コラム「今週後半のニュース」第51回:カネやコネに公務員試験が左右されることは絶対あってはならない
今週の後半も多くのニュースにコメントをしましたが、今回は次のニュースを改めて取りあげたいと思います。
公平な試験の原則が1つの自治体で崩れれば、全国の地方公務員がこのような疑念を抱かれることになる。
「予備校では、みやこ町は金を包めば採用してもらえるとうわさされていた」という言葉に、強く失望しました。以前から常態化していたのかと疑われても仕方ありません。
公務員試験は公平な競争によって行われるものですから、それを破るような試験はありえません。1つの自治体だけの問題ではなく、公務員試験全体の信頼を揺るがす問題になってしまいます。
お金が関わると今回の記事のように犯罪なのですが、「公務員試験に合格するにはコネが必要ですか?」といった質問をよく受けます。私は「不要です!」と断言しています。むしろ「コネはない方が良い」とさえ思っています。
仮に、有力なコネがあったとしましょう。例えば、自分の親族に幹部の職員や議員さんがいるような場合です。しかし、特に小さな自治体では、すぐに身元がバレます。「あの人のお子さんなんですね」といったことになれば、一部の人がコネを疑うかもしれません。もちろん本人がそうでなければ堂々としていれば良いのですが、幹部の職員や議員さんは日頃の仕事で公務員とのつきあいがあります。さまざまな仕事で「ゴリ押し」された経験があれば、コネを使ってゴリ押しをしたのではないかと疑われてしまう可能性があります。そういう仕事をしている人は、公務員の採用でも「ゴリ押し」するかもしれないからです。
公務員になりたい気持ちが強くても、試験の後40年間近く勤めることになりますから、コネで入っても長らく苦しむのではないでしょうか。
もちろん、職場の雰囲気や仕事のやりがいなどが分からないと不安も大きいでしょうから、知っている人がいればいろいろ聞いてみるのは良いと思います。これはルール違反ではないでしょう。面接で聞かれたことや過去問なども予備校や出版社が受験生から収集して、受験生に提供していますから、これと同じことです。
「試験は情報収集が命」とも言えるので、信頼できる情報をしっかり集めて、正々堂々と試験を突破してほしいと思います。