土曜日企画「ここで差がつく!地方公務員をめざす学生が知っておきたい最新ニュース」をスタートします!

 このコーナーでは、私がツイッターで毎週ツイート・コメントしている最新ニュースの中から1つだけピックアップして、より詳しく解説、意見を述べたいと思います(ツイッターへのリンク)。

 ツイートのコメントで私が大切にしているのは、「いかに短い言葉でズバッと表現できるか」ということです(多くの人が同じだと思います)。ダラダラした表現は受け手も面白くありませんが、そもそもツイッターは文字数が極端に制限されているので、それができない仕組みです。
 私もこれまで1,800のツイートをしてきましたが、まだまだ表現力が足りないと思っています。皆さんに分かりにくい内容もあるかもしれません。

 そこで、週に1度だけですが、ツイートの中から1つだけ詳しく説明するコーナーを作りました。こうした企画は以前もやっていましたが(毎週2回の時もありました)、継続していきます。ツイートで最新ニュースを知り、コメントを参考に小論文や面接対策で自分の意見を述べてほしいるためのヒントにしてほしいと思っていますが、このコーナーでさらに理解を深めてほしいと思っています。さっそく、今週のニュースを紹介しましょう。

 今回ピックアップしたニュースは、次のとおりです。

 デジタル版の接種証明、画面表示の詳細公表…年内発行予定

 このニュースについて、私は次のようにコメントしました

 デジタル庁の具体的な成果として、注目。既存の省庁がしていたらこうなった(もっと時間がかかった、費用がかかった、機能が少なかった…)ということを知りたい。

 では、ここから解説に入りましょう。デジタル庁が9月1日からスタートしました。これまで省庁・自治体ごとに、あるいは政策ごとにバラバラだったシステムを一元的に担う強力な組織として設置されたものです。菅政権は退陣することになりましたが、大きなレガシーになる可能性があると思います。
 これまでのシステムでは、コストが高い、連携が困難、デジタル化がなかなか進まない、といった問題がありました。その大きな要因は、縦割り構造の組織にあると言われています。その結果、マイナンバーの普及がなかなか進まず、新型コロナへの経済対策で行われた特別給付金(全国民に10万円延支給された、あの給付金です)でも活用しきれない、という結果を招いてしまいました。デジタル化のメリットが国民にほとんど実感できていない、という実態が表面化してしまったのです。
 デジタル庁の発足は これまでの反省に立ち、縦割り組織の弊害を打破し、強力な権限と予算、さらには民間からの専門的な人材によってデジタル化を一気に進めていこう、という意気込みを感じさせます。今回取り上げたニュースも、デジタル庁の成果として注目されるものだと思います。国民が望んでいるサービスとして、期待したいところです。ただ、…

 重要なのはデジタル庁が行うことそのものよりも、デジタル庁によって何が良くなるのか、ではないでしょうか。不十分とはいえ、日本もデジタル化が進んできましたし、ワクチン接種証明も以前の体制でやろうと思えばできなかったことはないと思います。そこで、デジタル庁が行うことで何が良くなるのかをハッキリしてほしいと思うのです。それが明確でないと、デジタル庁のメリットは分かりません。
 具体的には、デジタル庁ができたから「これだけ早く実現できた」「これだけ費用を抑えることができた」「これだけ機能が充実した」「これだけ使いやすくなった」「これだけユニバーサルデザインになった」「これだけセキュリティが強化された」…いろいろ面で良くなるのではないかと予想できます。もちろん既にデジタル庁ができているので、「もしデジタル庁がなかったら…」という仮定の話は難しいのですが、仮定であってもデジタル庁のメリットをしっかり説明できない限り、設置の意味を明確に示すことはできないと思います。幸い、私も先週に2回目の接種を終えたので、証明書が発行されて行動しやすい状態になればいいな、と思っています。デジタル庁がその期待に答えてはしい、とも思います。しかし、それだけではデジタル庁の真の意味を捉えることはできないでしょう。ここで、改革の意味を考えてみたいと思います。                                                    

 先に結論を言えば、改革とは常に「これまでよりも何が、どう良くなったのか」を追求するものです。日本でデジタル化が遅れているもう1つの理由として、「アナログでもそこそこ便利」だと多くの国民に思われていることがあると思います。キャッシュレスの普及が遅いのも「現金でもそこそこ便利」だと思われているようです。つまり、日本では既存のシステムがかなりしっかりしている、ということになります。
 したがって、「これまでよりも何が、どう良くなったのか」を追求する改革は、それだけハードルも高くなると言えるでしょう。しかし、デジタル化は今なお急速に、そしてグローバルに進んでいます。デジタルの波に取り残されれば、「そこそこ便利」のために「ものすごく便利」のメリットを受けられなくなるのです。国民にデジタル化のメリットを実感してもらうためには、これまでとの違いをもっと分かりやすく、明確に国民に説明することで、デジタル化の普及を加速してほしいと願っています。

 以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。次回もお楽しみに!

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