土曜日企画「ここで差がつく!地方公務員をめざす学生が知っておきたい最新ニュース」を投稿しました!

 このコーナーでは、毎週ツイート・コメントしている最新ニュースの中から1つだけピックアップして、より詳しく解説、意見を述べたいと思います。ツイートをご覧いただくとともに、最新ニュースを知り、小論文や面接で自分の意見を述べるためのヒントとして、活用してください。

 今週ピックアップするのは、次のニュースです。

 「アベノマスク」8200万枚配られず、倉庫保管料は6億円にも…希望する施設減ったため

 これに関して、私は次のようにコメントしました。

 希望のミスマッチは多少あるだろうが、8200万枚の余剰と在庫保管が続く状況は許容範囲なのだろうか。

 報道によると、アベノマスクは2億8700万枚(約400億円)が作成されたので、1/3弱が配られなかったことになる。ただし、世帯向けには1億3000万枚、介護施設や妊婦向けに1億5700万枚が作成され、余剰となったのは前者400万枚、後者がが7800万枚と、圧倒的に介護施設や妊婦向けが多かった
 余剰となった理由は、希望する施設が減ったためであったという。しかし、当時の報道では個人向けでもあまり使われなかったのではないか(私も開封していない)。したがって、実質的な余剰はもっと多くに上るであろう。
 官房長官は「当時の状況においては適切だった」と述べている。ここで大切なのは、「当時がいつの時点を指しているのか」ということであろう。確かに、マスクが大幅に不足していた時期があった。ドラッグストアの店頭にマスクを求める大行列ができたり、マスクの奪い合いといったトラブルなども報道されていたから、多くの国民や施設がマスクを求めていたことは間違いない。

 しかし、アベノマスクを配布する点ではそうした不足はほとんどなくなり、それが結果的にアベノマスクが有効活用されなかったことや、今回のような余剰をもたらしたのではないか。当時の状況や今回の件も含めて、アベノマスクを作成するプロセスのどこに問題があったのかを検証するべきではないだろうか。

 とはいえ、マスクは賞味期限がないので保管し続けていても問題はない。もちろん費用もかかるが、今回余剰となった8200万枚は今後どこかで使われる可能性はあるだろう。再びパンデミックやマスク不足が起きたり、大規模災害の避難などで必要とすることも想定される。マスク作成から配布までに時間がかかったことを考えれば、ある程度は在庫として持っておくことも良いのではないだろうか。保管費用がかかるのもやむを得ないコストと考えられる。

 会計検査院は有効活用を求める方針とのことだが、短期的に余剰の解消を図ろうとして自治体や施設などに半強制的に配布することになる可能性もある。しかし、大規模災害などが発生した場合は国が保管しておいた方が必要なところに迅速に配布できる可能性がある。したがって、繰り返すが費用がかかるとしても国が保管しておいた方が、活用すべき時に有効活用できるという意味で良いという考え方もできるのではないか。
 いずれにしても、今回の件に関しては単に「けしからん」で終わらせるのではなく、そこから何を学び、そして、どのように良い方向に持っているかを考えることが必要であろう。

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