公務員の仕事紹介:公共施設の管理運営
地方自治体は、多くの公共施設を持っています(持ち過ぎていて、減らさなければいけない状態です)。皆さんもよく使うのは、図書館でしょう。都道府県立、市町村立の両方があります。また、公民館や体育館もあります。公民館では趣味の教室や会合などが行われ、体育館ではスポーツの練習や試合などが行われています。
これらの公共施設には、管理運営を担う職員が配置されています。最も重要な仕事は、施設の安全性と快適性の確保です。窓ガラスが割れたり、エアコンが故障していたりすれば利用者は困ります。そこで、簡単な修理は職員個人でしますし、業者に依頼する場合は契約します。大規模な修繕の場合は、予算を獲得してからとなります。
次に大切な仕事は、予約の管理です。公民館などは部屋の予約を受け、利用料金を受け取り、利用者にルールを守うよう伝えるなど、予約の仕組みがしっかりしてこそ利用も適切に行えます。最近では、コロナ対策として人数を制限したり体温を測ったりするなど、すべきことが増えてきています。
このように、公共施設の管理運営は公務員の仕事として行われてきました。しかし、最近では指定管理者を導入するケースが増えてきており、職員が関わる機会は減っています。指定管理者とは、公共施設の管理運営の全般を民間事業者に委託する仕組みで、より価格が安くサービスの水準が高くなると言われています。
指定管理者が導入されると職員が配置されなくなり、その代わりに民間事業者の管理運営をモニタリングする形になります。公共施設の所有者は自治体ですし、利用する住民も民間の施設として使っているわけではないので、以前と同様に公共性を確保することはとても重要なことだからです。
かつて、公共施設の管理運営は、どちらかと言えば定型的な仕事で、残業もあまりありませんでした。ただ、夜間や休日にもオープンするので、仕事時間はイレギュラーになります。例えば、休館日は月曜日のケースが多く、所属する職員は日曜日は出勤して月曜日が休みとなります。この場合、休日の賑やかな時に仕事をしなければならないのですが、月曜日は混雑しないので遊園地が好きな人には良いかもしれません。
指定管理者の導入はこれからも継続・拡大していくと思われるので、こうした仕事を公務員がする機会はかなり少ないと思います。ですが、今も職員が配置されている公共施設も残っているので、知っておいて損はないでしょう。