ここに注目!公務員が気になるニュース:日本の人口減少と世界の人口増加を同時に考える

 このコーナーでは、今週ツイートしたニュース記事の中から特に印象に残った1つをピックアップして、掘り下げてみたいと思います。

 今週は、次の記事を取り上げたいと思います。

世界の人口が80億人に 中国は来年にも人口首位から転落、1位は?

 この記事について、私は次のようなコメントをしました。

 日本は人口減少で、逆に世界は人口激増。この対比で見ると、日本の課題がよりクリヤーに見えてくると思う。

 日本では、特に地方圏の人口減少と少子・高齢化が進んでおり、それが地方創生の大きな背景となっています。出生率を向上させるための出産・育児支援は保育園の整備、さらには若年層の大都市流出を抑制するためのUターン促進策などが積極的に行われています。さすがに人口減少から増加を望むことは現実的ではありませんが、急激な減少を食い止めるとともに、緩やかに減少しても持続可能な地域を構築していくことが必要とされています。

 しかし、日本ではかつて人口激増が大きな課題となっていた時期もありました。現在、世界の人口が増えていますが、それによって生じる課題に通じるものがあるでしょう。それは、「都市問題」と呼ばれる混雑現象から生じるものです。東京に暮らしていると今も痛感しますが、狭い住宅、長い通勤とラッシュ、高い物価などは大都市の大きなデメリットです。もちろん、賑わいや利便性、大学や企業の集積などのメリットもあるのですが、生活者にはデメリットがもたらされると指摘されていました。

 これから人口が増える国や地域では、都市への人口集中を伴うと思います。これから世界が直面する問題を、まさにかつての日本は経験しているのです(日本が都市問題を乗り越えたかどうかは、議論の分かれるところだと思います)。したがって、現在の日本が直面している人口減少と少子・高齢化は、そうした増加時期の課題のない状態である、とも言えます。人口増加を望むことは不可能だから現実的な目標になっているとしても(それでも実現は難しそうですが)増えるという理想もまた、別の課題がある状態ということになるでしょう。

 人口のあり方として何を理想とするかは、必ずしも確固とした解はないのだと思います。

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