連載企画:面接で差をつける!地方公務員の注目ニュース「公務員の週休3日制導入議論を考える」
このコーナーでは、今週ツイートしたニュース記事の中から特に印象に残った1つをピックアップして、掘り下げてみたいと思います。
今週は、次の記事を取り上げたいと思います。
この記事について、私は次のようなコメントをしました。
公務員の仕事のあり方を見直していかないと、時間だけ短くするのでは意味がない。ただ、先に時間短縮を取り入れて、そこから仕事の見直しを半ば強制的に進めていくアプローチでも、一定の効果は期待できると思う。
以下、コメントです。
私が公務員になったのは、ちょうど30年前になります。実は、私が入る直前まで、勤務は週休2日ではありませんでした。土曜日は「半ドン」、つまり午前中は仕事をしていたのです。私は運良く?週休2日しか経験しませんでしたが、これから週休3日の導入に向けて本格的な動きになるものと思います。
現在の仕事量が減ることは考えられません。これまで、手作業がワープロ・パソコンになり、そしてこれからもAIやRPAなどが導入されて、ますます省力化されていくのに、です。地球温暖化や人口減少など大きなスケールで解決に時間を要する(解決できないかもしれない)課題や、細やかに対応すべき身近な課題など、公務員に求められる仕事は質量ともに広がり、大きくなっています。
そのような中で、公務員の勤務形態を単に週休2日から3日にすれば、効率を上げない限り残業が増えるだけに終わってしまいます。もちろん効率を上げる余地はまだあるとは思いますが、それが出来ていれば既に長時間労働も解決しているはずです。仕事の量そのものを減らさなければ、週休3日の意味はないでしょう。
仕事の量を減らすことは、これまで行っていたサービスを止めることもあるでしょうから、受益者である国民や地域住民にもデメリットになります。例えば、携帯電話料金は安くするかわりにオンライン手続きに限定する、といった割り切り方ができれば良いのですが、全体の奉仕者である公務員には容易ではありません。
ただ、週休3日を先行させても、仕事を見直すきっかけにはなると思います。かつて、「デッドライン仕事術」を提唱した吉越浩一郎氏は、締切を意識することで迅速に仕事が進むようになる、と説いています。私も原稿などを書く時には、締切が大きな効果を持っていると実感します。公務員の仕事にも、週休3日という厳しめのデッドラインを先に設定することで、ある程度仕事を見直すことができると思います。
今後は、仕事の量をどう見直していくか、といった議論も必要です。今後の動向を見守っていきたいと思います。