連載企画:誰でも無理なく合格できる!公務員試験の勉強術(第11回)「勉強時間は1週間単位で「空き時間✕2/3」を目安に」

 大学3年生の方にとっては、そろそろ公務員試験の勉強を始めよう、あるいは始めたところ、という方が多いのではないかと思います。公務員試験に取り組んだ学生の声で、よく聞くのは「1日何時間勉強すれば合格できますか?」というものですが、私はその目安はあまり意味がないと思います(詳しくは、私の著書をご覧いただきたいと思います)。

 まず、1日の勉強時間を一定に保つことはできません。大学の講義が多くある日、アルバイトの日、見たいテレビドラマがある日など、いろいろなはずです。また、合格した人も不合格だった人も、一定の勉強時間は確保しています。だから、「1日〇〇時間勉強すれば公務員試験に合格できる」という保障はないのです。ただ、それでも勉強時間の目安を知ることは、不安を少しでも和らげるのに役立つ可能性はあると思います。そこで、勉強時間はであくまでも目安として捉え、その目安となる数字をここで示しておきたいと思います。

 まず、勉強時間は1日単位ではなく、1週間単位でカウントするのが良いでしょう。なぜならば、先ほど述べたように毎日のスケジュールは一定ではないので、たくさん勉強できる日もあればできない日もあるからです。また、気分が乗っている日もあれば乗らない日もあるので、毎日の浮き沈みがあります。予定よりも長くできれば過剰に安心してしまい、逆に予定より短くなれば嫌悪感が高まり、いずれにしても心の安定感を失ってしまうことになりかねません。

 そこで、私は1週間単位で勉強時間をカウントすることを勧めます。1週間単位であれば、スケジュールもほぼ前もって確認することができますし、同じリズムで1週間を過ごすパターンが多いからです。また、気分が乗らずに勉強が進まなかった場合には翌日にカバーすればそれで良いのですし、逆に気分が乗って勉強が進んだ場合にはご褒美として翌日リラックスすることもでき、それで心の安定を図ることもできます。

 次に、目安となる勉強時間ですが、自分の空き時間✕3分の2くらいでしょう。空き時間を導く際に、睡眠はしっかり取らなければいけないので、睡眠時間は最初から外しておきます。そして、大学の授業やアルバイトなども外します。もちろん、移動などのスキマ時間は有効に活用してください。そうして残った時間の3分の2程度が勉強時間の目安となります。つまり、残りの3分の1は余白として取っておくのです。これは、気分が乗らなかった時のカバーにもなりますし、また、順調に勉強が進めば、ご褒美として、テレビを見たり遊びに行ったりすることもできる時間とします。

 私たちは計画を立てる際に、どうしても理想を追求してしまうため、空いている時間をすべて勉強に当てようとスケジュールを組んでしまいがちです。しかし、それではちょっとした狂いで、すぐに崩れてしまうので、得策とは思えません。計画は必ず崩れるものなので、回復力(レジリエンス)が重要です。そこで、逆に多くの空き時間を最初から用意しておけば、絶対に総崩れになることはありませんし、もっと勉強したければしても構わないわけです。

 例えば、あくまでも目安として大学3年生の頃は1日3時間程度が目安とも言われますが、これは1週間で20時間程度となります。そして、講義のある月曜日と水曜日は帰宅後に2時間、アルバイトのある金曜日は1時間、土曜日と日曜日は4時間、火曜日と木曜日は3時間…とすれば、これで19時間です。残りはスキマ時間を当てれば20時間となります。水曜日は友人と飲みに行って帰宅したので勉強できなかった場合、土曜日と日曜日に1.5時間ずつ増やすとか、前日の火曜日までに多めに勉強しておくなどすれば、無理なくカバーできるでしょう。

 上記はあくまでも事例で、いくらでもアレンジできます。いずれにしても、最初は余裕を持って、空白時間の3分の1程度は空白のままにして勉強時間を確保することを勧めたいと思います。

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