連載企画:誰でも無理なく合格できる!公務員試験の勉強術「参考書や問題集は、これからのために保存しておこう」
公務員試験もほぼ終わり、第1志望に合格して大喜びの方、第1志望ではないけれど公務員試験に合格してひとまずホッとしている方、合格できず残念に思っている方、それぞれ結果が出てきたものと思います。結果も大切が、それよりも大切なのは就職先でどう花を咲かせるか、です。第1志望に合格したものの事前の期待が大きすぎてギャップに戸惑う人もいますし、第1志望ではなかったけれど活躍の舞台を与えられて頑張る人もいます。どのような環境であっても、そこでいかに輝くかが大切です。
今回は、来春公務員になる人に、試験で使った参考書や問題集は捨てずに保管しておきたい、ということを説明したいと思います。公務員試験は科目が膨大なので、参考書や問題集が山積みになります。それらを一生懸命勉強して、合格した人にとっては、「もう見たくない」ものでしょう。また、かなりのスペースを使うので、早く処分して部屋を空けておきたい、という気持ちにもなります。ですが、できるならば公務員試験で使った参考書や問題集は捨てずに保管しておきたいものです。
その理由は3つあります。1つは、頑張って勉強した証として価値があるからです。参考書や問題集には、いろいろな書き込みがしてあると思います。説明の補足や解答のポイント、何回目でいつ正解できたかなど、勉強を頑張って成長した証拠が書き込まれています。地方公務員は仕事を始めてから資格を取ることはほとんど求められないので、本格的な勉強は公務員試験が最後です。なので、学生時代から勉強を続けてきた集大成として、自分の自信の拠り所、お守りとして、いつでも見られるようにしておくことは意味があると思います。
もう1つは、リスキリングのためです。社会人のリスキリングとして、大学院で学んだり高校の勉強をやり直したり…、といったことが行われています。地方公務員の場合は、まさに採用試験のために頑張った勉強がそれに当たるわけです。残念ながら、公務員試験で勉強したことは、仕事で使う場面があまりありません。幅広い科目を勉強するのは仕事の幅も広いからですが、配属される部署は1つです。そのため、仕事で使わない知識やスキルは忘れてしまいます。しかし、定期的な部署の異動がありますし、やはり幅広い知識やスキルはポジションが上がっても必要なので、リスキリングの題材として公務員試験の参考書や問題集はうってつけなのです。ちょうど、自動車の車検のように、定期的に見渡しておくと良いのではないかと思います。
最後に、昇格試験対策のためです。地方自治体ごとに異なりますが、地方公務員には昇格の際に試験を課すケースが多くあります。それが公務員試験と結構似ているのです。小論文や面接だけでなく、選択式の問題もあります。もちろん科目は限られるのですが、重複するものもおるので、公務員試験で勉強したことが活きるわけです。昇格試験でも専門の問題集などがあるので、メインの教材はそちらになると思いますが、解説が少なく問題中心のものが多いため、公務員試験で使った参考書や問題集が補助教材として使えることもあります。また、最近は昇格に消極的な人が多いと言われていますが、公務員試験の参考書や問題集を見ると、初心に返って「昇格して活躍したい」というモチベーションも高まるのではないかと思います。
このように、公務員試験が終わったところで参考書や問題集は「もう見たくない」と敬遠しがちになりますが、捨ててしまうと二度と戻ってこないので、ぐっとこらえて、できるだけ保管するようにしてほしいです。