合格できる!公務員試験の勉強術:面接で「所作」「セリフ」よりも大切なこと
公務員試験も選択式の一次試験がピークを越え、合格発表から二次試験へとステージが移りつつあります。これまで必死で勉強してきた一次試験が終わると、ちょっと緩みがちになるかもしれませんが、ゴールはまだ先です。最後まで気を抜かず、頑張っていただきたいと思います。
さて、二次試験のメインとなるのは面接です。私も学生から面接の相談や練習などでアドバイスをしていますが、その多くは「所作」「セリフ」の内容です。「ノックは何回が良いですか?」「こういう質問が来たらこんな答えで良いですか?」といったもので、それを確認してから、実際の面接で想定どおりに再現できるよう頭と身体に覚え込ませます。これが、多くの人が実践している面接対策だと思います。
私もそれは1つの方法だと思います。しかし、もっと重要なことがあるのではないか、とも考えています。それは、「いかに自分らしさを出せるか」ということです。
面接の所作やセリフは、対策本などに正解や模範例が紹介されています。しかし、例えば所作で正解を意識しすぎて動きが不自然になれば違和感を覚え、「その場しのぎ」ということが分かってしまいます。面接官は「一生懸命練習してきたんだな」と前向きの評価をするかもしれませんが、むしろ「これが仕事だったら、毎日できないことを無理矢理しようとしている。自分をごまかそうとしているのではないか」と後ろ向きの評価もでてきます。むしろ、多少は自己流であっても、自然な動きであった方が「自分をしっかり見つめて、ありのままを伝えようとしている」と好感を持ってもらえるのではないか、と思います。
セリフも同様です。人はこれまで会い、関わった人とのコミュニケーションの経験から、「だいたいこの人はこういうタイプの人ではないか」と予想するはずです。もちろん合っているとは限りませんが、予想することでコミュニケーションが円滑に進むよう自分も工夫し、徐々に波長を合わせていきます。したがって、面接で相手が正解を意識しすぎて「ぎこちなさ」や「不自然さ」が出てしまうと、面接官も相手のタイプを予想することができず、お互い手探り状態のまま面接が進んでいくことになりかねません。結局、どんな人かが分からないまま外面的な所作やセリフだけで評価しなければならなくなり、所作と同じような評価になってしまうのではないでしょうか。
公務員の仕事は多種多様ですし、職員のタイプもさまざまです。したがって、行政機関における採用とは、仕事と職員を上手に当てはめていくことであり、面接官は採用や人員配置を担当しているため日頃からそれを実践しています。ですから、面接でも限られた正解だけで採用するのではなく、どんなタイプの人にも合った仕事が公務員にはあって、その人らしさが分かりやすく伝わった方が適した仕事に当てはめやすくなるのです。したがって、無理に正解を話そうとするよりも、「自分らしさ」を自然に表現する方が、面接官にとっては好感が持て、高い評価につながりやすいのではないか、と考えます。
もちろん、あまりにもおかしな所作や突飛な行動は許容されません。公務員としての最低限のマナーやルールはあるでしょう。しかし、その範囲で自分らしさを表現することの方が、模範解答に近づけることよりもよほど大切だと思います。面接官が知りたいのは、公務員としてどんな仕事をしてくれそうか、ということです。徹底的に自分を見つめて、自分らしさを伝えてほしいと思います。