合格できる!公務員試験の勉強術:面接では第一印象に気をつける
公務員試験の面接は、筆記試験よりも重視されるようになってきました。私が受験した30年前は、筆記試験に合格すれば面接で落とされることはほとんどなかったのですが、今は筆記試験で多めに合格を出し、面接でも多くが落とされます。筆記試験がほぼ終わるこの段階で、ついホッとしてしまう人も多いと思いますが、まだ大きな関門が立ちはだかっていますので、気を抜かないように気をつけてください(逆に言えば、気を抜く人が多いので、そうならなければ大きなアドバンテージとなります)。
さて、面接で気をつけたいのは、最初の5分です。面接の評価の多くは第一印象で決まる、と思っています。皆さんは面接の練習で、ノックや挨拶などから始まって、最初に志望動機を話す…というほぼ一連のルーティンに差が出るはずない、と思っているかもしれません。ですが、実際はまったく違います。やはり最初のルーティンでも人それぞれの特徴や個性がハッキリ出るのです。面接官は、1日に多くの面接をこなします。最初のルーティンがほとんど同じだからこそ、面接官はそれを繰り返して見ていると小さな違いも分かりやすいのです。
しかも、面接官にとってはその人を最初に知るのが冒頭のルーティンですから、最も新鮮な情報源となります。そして、面接の緊張感がスタートする場面でもあるので、「しっかり評価しよう」という気持ちも一番強いのです。当たり前のように皆が同じことをしているように見えて、実はそうではない、というところに面接の難しさがあると思います。
では、面接で第一印象以外の部分は不要なのでしょうか。決してそうではありません。面接官は、第一印象が正しいかどうかを確認しているのだと思います。第一印象は確かに大切ですが、さすがにその一瞬だけで評価をするのは慎重さを欠きます。学生の人生を決める大事な面接ですから、面接官も真剣です。間違った評価をしたくない、という気持ちがあります。そこで、第一印象による評価を裏付けるような質問や聞き方をして、評価を固めていくプロセスが続いていくのです。
第一印象が良かった場合、学生が答えやすい質問を中心にする、逆に良くなかった場合は答えにくい質問を中心にする、という形になりやすくなります。もちろんそればかりではありませんし、第一印象が大きく変わるような受け答えになれば、評価は修正されていきます。しかし、短い時間の面接では、第一印象を修正するには時間もかかりますから、容易ではありません。第一印象が、その後の展開を大きく左右する、ということに気をつけてほしいと思います。
では、第一印象を良くする方法はあるのでしょうか。やはり、まずは笑顔と挨拶だと思います。自然で気張らない程度で良いと思いますが、笑顔と挨拶は第一印象を大きく左右します。また、ルーティンだと思って軽視しないことです。むしろ、ルーティンだからこそ大切にして、ここで少なくとも失点しないこと、できれば得点アップを目指して入念に準備してください。
面接の配点が上がってきて、最近は「リセット方式(採用の決定は筆記試験の結果を考慮せず面接だけで行う)」も取り入れられています。しかし、面接では第一印象をリセットすることは容易ではありません。むしろ、第一印象で差をつけて中盤と後半はリードを保ったまま逃げ切る、というのが勝ちパターンではないか、と思います。