ここに注目!公務員が気になるニュース:
このコーナーでは、今週ツイートしたニュース記事の中から特に印象に残った1つをピックアップして、掘り下げてみたいと思います。
今週は、次の記事を取り上げたいと思います。
「他にもっとやることあるやろ」批判も 市長室の机やイスが50万円で落札 大阪・交野市長流“身を切る改革”はネットオークション
この記事について、私は次のようなコメントをしました。
「他にもっと・・・」という批判は、やった後に判断すれば良い。問題は、これから。
市長室は、公務員にとっては「緊張の空間」です。市長の決裁(了解)を受けたり、市長に報告したり、重要な意思決定が下される場として、厳かな雰囲気のある場所となります。立派な机や椅子は、市長が心身の負担を和らげるだけでなく、意思決定の場としての雰囲気を演出しています。余計な機能や過剰な金額のものは不要だと思いますが、質素であれば良いとは思えません。
今回の記事で「パフォーマンスだ」との批判が寄せられるのは、市長がどのような仕事をしているのかが理解されていない面もあろうかと思います。だから、分かりやすい形で「身を切る改革」を見せたのだと思いますが、仕事の質が下がることの弊害が見えていないとすれば、批判は的を得ていると思います。
そして、本当に重要なのは、ここから先です。「身を切る改革」の次に、どこに切り込めるかです。身を切る改革だけで財政を健全化させるのは不可能だと思います。それほど大きなコスト縮減にはなりません。今回の記事でも50万円の収入にとどまっています。
本格的なコスト縮減に切り込むには、市民へのサービス縮小をしなければなりません。市民が当たり前のように使っていた施設が不便になる、サービスの水準が低下する、補助金がなくなる…さまざまなことを考える必要があります。「それは困る」と思う人は多くいるはずです。しかし、十分な収入が確保できていない以上、そして、身を切る改革には限界がある以上、サービスを縮小するしか残された方法がありません。だから、市民へのサービス縮小に対する理解を得ることが重要になります。「市長も頑張って身を切っているのだから、私たちも我慢しよう」という気持ちが生まれれば、今回のオークションは50万円以上の効果に結びつくでしょう。
「もっと他にやることあるやろ」という市議の方のコメントが寄せられています。「他に」というのが市民へのサービス縮減なら、議会と力を合わせて頑張ってほしいものです。今後の行方を見守りたいと思います。