公務員試験の勉強法:公務員試験は「勝つこと」よりも「負けないこと」

 オリンピックの100メートル競走などを見ていると、優勝候補の選手は必ずと言っていいほど、予選ではゴール前でスピードを落とし、「流して」ゴールインします。タイムよりも予選通過が最優先なので、そこまで全力で走らなくても問題ないですし、むしろ心身ともに余力を残して決勝に温存しているのだろうと思います。

 それが、決勝になると、とたんに緊張感が高まり、スタートではフライングスレスレのスタートをしようとしますし、その後は全力疾走でゴールまで走り抜けます。もちろん金メダル獲得が最優先なのでしょうが、優勝候補の選手のなかで流すことはできないでしょうし、ライバルが多いと記録も出やすくなるので、予選とはまったく違う走りになるのでしょう。

 私は短距離走の専門家ではないので上で述べたことは素人の考えなのかもしれませんが、予選と決勝で走り方がまったく違うことは明らかです。この違いは、公務員試験にも関係しているように感じています。

 公務員試験は、ほとんどの人にとって優勝つまり1位の成績で合格することに意味はありません。合格者数の順位内の点数であれば、全員合格するのです。つまり、公務員試験は100メートル競走の予選と同じだと思います。余力を持って、順位以内でゴールすることを最優先にした方が良いでしょう。

 ただし、それなりの準備は必要です。試験に全力で臨まなければ合格できない、その程度の力では余力を持った合格は望めません。試験本番では余力で合格できるよう、準備に関してはしっかりしておくことが大切です。「合格すれば良い」と考えて勉強する人も多いと思いますので、しっかり準備しておくことは二重の意味で大きなアドバンテージになると思います。

 最も恐れるべきは、順位以内に入らないことなので、競走で言えば予選で「負けない」ことを目標にすれば良いと考えます。「勝つ」ことを目標にすると、余計なプレッシャーに襲われてしまい、持っている実力を十分に発揮できないかもしれません。かえって大きな失敗に終わる可能性さえあると思います。心身ともに余裕を持って「負けない」戦いをしてほしいと思います。

 繰り返しますが、そのためには普段の勉強で十分な力をつけておく必要があります。その努力が、試験本番で思わぬ落とし穴に見舞われても「負けない」結果をもたらしてくれるのではないか、と考えています。大変だと思いますが、頑張ってください。

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