連載企画:誰でも無理なく合格できる!公務員試験の勉強術「「試験のための勉強」から「仕事のための勉強」へ」

 公務員試験の勉強をする目的は、何よりも「試験に合格するため」です。試験に合格しなければ意味がないので、とにかく得点を獲ることが最も重要になります。過去問を中心に勉強するのも、最小の努力で得点するため、と言ってもいいと思います。

 公務員試験も面接や官庁訪問のフェーズに入り、一次試験の勉強からは解放されつつあります。もちろん、今は面接対策や官庁訪問への準備に集中すべきです。「もう勉強しなくて済む」という気持ちになるのも、やりたいことを我慢して長い勉強を辛抱強く進めてきたからだと思います。

 しかし、多くの学生は、面接に移行した時点で勉強から完全に手を引いてしまいます。これは本当にもったいないことです。公務員試験が終わって、晴れて公務員への就職が決まった暁には、ぜひとも勉強を再開してほしいと思います。つまり、公務員試験に合格したら、すぐに「リスキリング」を始めてほしいのです。参考書や問題集なども、就職後のために残しておくことを勧めます(努力の証として、思い出として残しておいても良いでしょう)。

 合格後の勉強は、試験のプレッシャーから解放されるので、気持ちに余裕を持って取り組むことができます。解法のテクニックばかりを意識していたのを改め、問題の奥深さや真の目的などを考えることも良い学びになるでしょう。すでに合格のために何度も取り組んでいる問題ならば、解法や解答も知っているので、正解にこだわらず純粋に学びやすいのもメリットかもしれません。

 また、現役の公務員にもほとんど意識されていませんが、公務員試験の勉強は、本来、仕事で発揮させるべきものなのです。公務員になって仕事を始める段階では、目の前の仕事を処理することに意識が向きがちになりますし、すでに勉強を終えてから時間期間が経っているので、勉強で得た知識やノウハウが消え、仕事の効率的な処理が中心になります。勉強を終えたばかりの学生時代こそ、実際の仕事を意識した勉強をするチャンスなのではないか、と思います。

 面接対策でそれどころではない、といった状況かもしれませんが、少なくともテキストや問題集は処分せず手元に残しておいてほしいです。

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