連載企画:リアル体験!地方公務員の仕事紹介「地方公務員の仕事環境:残業は多い?」

「ブラック霞が関」という言葉が世の中に浸透し、国家公務員の人気が低下する原因になっている、とも言われています。確かに、深夜どころか翌日の朝方まで仕事が続く状況は、常人には耐えられないものです。私も選挙の投開票業務で何度かそうした経験をしましたが、さすがに次の日の朝からほとんど仕事にならず、終業のチャイムとともにぐったりした状態で帰宅したことを覚えています。しかし、毎日そのようなハードな残業は、どう考えても不可能です。それほど深刻な状況で語られる霞が関の労働環境が避けれてしまうのは、当然のことだと思います。

では、地方公務員の残業は多いのでしょうか。「ブラック県庁」「ブラック市役所」なのでしょうか。あくまで私の経験ですが、部署によって、また時期によって大きく異なるのが実際のところだと思います。私は地方公務員の時代に3つの部署を経験しましたが、最も残業が多かったのが2つ目の部署です。毎年12月から翌年3月まで、ほぼ土日なく、また正月休みも仕事に出ていました(さすがに元旦は休んでいたと思います)。しかも、平日は12時ごろまで、土日でも朝から夕方まで仕事だったので、帰宅してから寝るだけ、という生活が続きました。当時の自分は30代前半と若かったので、寝不足で身体を壊してしまうことはなかったものの、50代の先輩は大変だったと思います。また、プライベートの時間が3か月ほどなくなるので、その部署の職員は「結婚できない」とも言われていました(実際はそんなことはなかったので、昔の先輩の経験だと思います)。

このように、確かに今なら「ブラック」とも言われかねない仕事環境は一時的にありましたが、それ以外は特に厳しい残業はありませんでした。たまに9時まで残ることもありましたが、翌日には早く帰りましたし、まったく残業のない期間がしばらく続くこともありました。総じて言えば「ブラック」というような状態ではなかったと考えています。最近の「働き方改革」やブラック労働が批判される風潮では、なおさらそうした環境は少なくなっているのではないでしょうか。

しかし、私は仕事がブラックかどうかは、残業の「長さ」だけではなく、他の要素も関係していると思います。それは、「仕事の内容」と「残業の強制力」です。国家公務員でも、「他律的残業」とされる国会対応による残業が問題視されています。国会対応は、議員の質問に対応しなければならないので強制力があり、対応が必要になるかどうかは議員の質問次第です。つまり、公務員自身でコントロールすることができません。さらに、その質問の内容が政策のためではなく政府の不祥事や建設的でない内容であれば、「何のために残業しているのか」と、考えてしまうでしょう。

地方公務員にも、似たようなケースは多少あります。議会対応が必要なのは国家公務員と同じですし、自分は頑張って時間内に仕事を終えたのに先輩が残っているから帰りづらい、ということもありました(私にとって良い上司の条件の1つは、率先して帰ってくれることです)。そのため、デスクで暇そうにしているわけにもいかす自販機に行って飲み物を飲んだり、他の部署の職員と雑談しながら過ごすことも、なかったわけではありません。現在はさすがにこうしたケースは減少していると思いますが、短い残業であっても無意味だと思うものは嫌なものです。

全体的に、地方公務員の仕事は「ブラック」とまではいかないと思います。ただし、部署や季節で一時的に残業が多くなること、意味のない残業も減らしていかなければならないことなど、より働きやすい環境づくりに向けて課題となっていることは今後も解決に向けて取り組んでいかなければならない、と思います。

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