水曜コラム「公務員の学び」第12回:制限時間を設けた読書を積み重ねる

 最近の水曜日コラムでは、何度か読書の方法について何度か述べてきた。そこで、今週も私なりの読書法を1つ紹介したい。それは、制限時間を設けて読書をする、ということである。

 私はできるだけ多くの本を読みたいと思っている。だから、空いている時間をできるだけ見つけて、なおかつ短時間で本を読みたい。そこで、読書に制限時間を設けることを心がけている。タイマーを使って時間内に読む方法もあると思うし、移動中ならば「〇〇駅に着くまでに」などとしても良い。いずれにしても、制限時間を設けることで「頑張ってこの本を身に着けよう」という気持ちになる

 では、どの程度の制限時間が望ましいのか。それは、本の重要度にも関係する。重要な本は丹念に読みたいと思うだろう。新書ならば2時間くらいか(私が出張する時は、新幹線の東京駅から米原駅が2時間ちょっとである)。逆に、それほど重要でない本は15分~30分くらいかもしれない。制限時間を設けることで、本の核心部分を先に読もうとするようになるから、効率的な読書ができる

 なお、本には難易度もあるので注意しなければならない。難易度が低い本は重要度だけで時間を決めればよいと思うが、難易度が高い本はそれも考慮しなければならない。なぜなら、繰り返して読まないと理解できないからである。そこで、難易度が高い本はどうすれば良いか。

 難易度が高く重要度が低い場合は核心部分だけを読めば良いし、そこが分からなければ放置するしかない(重要度が低ければ、放置してもあまり問題ないし、分からないものを分かろうとしても不可能な場合も多い。実力を高めてからチャレンジするしかない)。難易度も重要度も高い場合は、いきなり熟読するのではなく制限時間を設けて核心部分だけを先に読み、分かる点と分からない点を明確にしておく。そのうえで、熟読するのである。このように、2段階で読書を積み重ねることで、難易度も重要度も高い本を攻略できる(もちろん、それでも難解な本はたくさんある。その場合は、何度も読むか、分かるところだけを理解するにとどめておくしかない)。

 いずれにしても、効率良く読書をするには「本を通して、時間をかけて丹念に読む」という習慣、思い込みを捨てた方が良い。実は、私もまだその習慣から抜け切れていないのだが、意識して変えるように日々試行錯誤をしている。

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