水曜コラム(木曜日掲載)「公務員の学び」第19回:ヨコのネットワークを大切にしよう(2)他機関の職員
先週のブログでは、同期の職員とのネットワークを大切にしようという話をしました。今回は他機関の職員とのネットワークの重要性を述べたいと思います。
他機関の職員とのネットワークを構築する方法は主に3つあります。1つは、入庁してすぐに行われる初任者研修です。私の場合、この研修では同期の職員が全員集まり、県が設置する研修機関で1週間程度の研修を行いました。したがって、入庁した同期の職員だけでなく他の県内市町村の新人職員が一同に介する、大規模な研修です。就職したばかりなので、まだ自分の同期の顔と名前さえも知らない状況ですが、希望に満ち溢れたフレッシュな職員が一堂に介する研修のため皆が期待と不安を持って集まる場になります。宿泊研修もあるので、1週間もすると親睦も深まるようになります。研修を終えてそれぞれが所属する市町村に戻った後も、プライベートでの交流や合同の同期会などを行うことでさらに親睦を深めることができます、こうしたネットワークは一生の財産になるものです。
2つは、県内市町村の担当職員説明会や研修です。例えば、私が財政課に所属していた頃は、国からのさまざまな連絡事項などを県が説明したり、財務に関する担当職員の勉強会などを行う機会がありました。そうした場ではそれぞれの市町村の担当職員同士で意見交換をしたり親睦が深まるので、仕事で相談したいことがあれば電話等で応対してくれたりしました。また、私が教員になってからは監査委員事務局担当職員の研修会に講師として何度か呼ばれました。研修では各市町村の担当職員が一堂に会して私の話を聞いてくれましたし、さまざまなテーマでディスカッションなどをしていました。もちろん、それぞれの部署で県内市町村の職員が集まる研修会等は設定されているので、そうした機会は他機関の職員と横のネットワークを作るきっかけになります。
3つは、規模の大きい、長期の研修機会です。例えば市町村職員の場合自治大学校という研修期間が東京にあり全国から職員が集結して数か月間の研修を行います。その名の通り大学のような研修機関で、長期間にわたり寮での共同生活などを行うことになります。年齢に多少ばらつきはありますが、いわゆる「同じ釜の飯を食った間柄」として、強いネットワークが生まれます。研修を終えた後でも、何か困ったことがあれば情報交換をすることができます。私は県内の大学院に2年間の派遣機会を与えられましたが、他の市町村から10人くらいの職員が派遣されていたので、その時の人間関係は今なお続いていて、さまざまな情報交換をさせてもらっています。他機関の職員どうしで同じ悩みを抱えていて、仕事の利害関係などもないため、そうしたネットワークは大変有益です。研修の機会は、学ぶ内容だけでなくそこで生まれるネットワークも同じくらい重要なものだと思います。