金曜コラム「文章、プレゼンの基礎」第17回:グループプレゼンによる役割分担とすり合わせ
プレゼンテーションを作成する際、企業でも学校でもグループで進めることが多くあります。やはり1人で進めるよりも楽しいですし、仲間がいて心強いこともあると思います。
ただ、個人的には1人で作る方が気持ちが楽です。実際、グループでプレゼンテーションを作った経験がほとんどありません。なので、大学ではグループワークを積極的に進めていますが、個人的には消極的という変なスタンスです。
その理由は、グループプレゼンでは役割分担とすり合わせの問題があるからです。まず、役割分担はスライドを作成する担当やプレゼン当日の発表担当、質疑担当などがあると思います。場合によっては書記やリーダーなども割り当て、細かい分担で進めていく場合もあるようです。
しかし、こうした役割分担をすると、チームワークが高まる場合とそうでない場合の両方が起きます。前者の場合は、役割分担はしても担当に任せるだけでなく自らも一因として積極的に関わることで、チームワークを高めることができます。もちろん、いろいろな意見が出てくるので調整は大変ですし、担当の思いが反映されないことも有りますが、そうしたプロセスを経てグループとしてのまとまりが生まれ、あらゆる段階にも活きてくると思います。
問題は後者の場合で、役割分担が決まったとたんに担当者任せになってしまうことです。担当の部分が終われば次のステップに映りその担当者の仕事になります。これは、担当の思いが反映されやすい面はあるものの、それぞれが持っているバラバラな思いがバラバラなままになってしまいます。これでは、チームの作品としてプレゼンテーションしても、やはりバラバラな印象を与えてしまうでしょう。
そこで、次のすり合わせの問題が生じます。チームの作品として統一感を出すには、役割分担の下でも全体の方針があって、その下でそれぞれの役割を果たしていきます。そして、役割を終えた後でも最終段階で全体の方針が反映されているかどうかを確認する作業を全員で行うことになります。これは「すり合わせ」と呼べる作業です。この作業が入ってこそ、グループプレゼンのだいご味ではないかと思います。
グループプレゼンの場合は、役割分担とすり合わせの絶妙なバランスが必要です。これができれば素晴らしいプレゼンができると思います。ただ、こうしたプロセスは大変面倒なものです。チームワークとは聞こえの良い言葉ですが、見方を変えれば妥協しなければならない点もあります。個人的にはこうしたプロセスや妥協が苦手なため、グループプレゼンには向いていないな、と感じています。