日曜コラム「マイ・オピニオン」第29回:文章を書くベストタイミングは午前中とは限らない

 このブログだけでなく、仕事柄、文章を書くことが多くあります。おかげさまでこのブログは、私の書きたいことを書けるので、毎日の投稿が続けられています。最近は短時間で書けるようになり、自分の発信のためだけでなく、文章を書く良い練習にもなっていると思います。

 さて、文章を書く機会は、ほとんどの人は日常のなかで決して多くないのではないでしょうか。子どもの頃は読書感想文、学生時代には小論文やレポート、卒業論文を書くくらいですし、長文を書く機会は社会に出てからでも少ないと思います。

 しかし、最近はアウトプットの大切さを説く本も多くあります。社会人にとっては「今さら」と思うかもしれませんが、文章を書くことがこれから増えてくるかもしれません。

 私も少しでも効率的に文章を書きたいと思い、アウトプットに関する本をよく読みます。そこで言われていることのなかに「午前中に執筆せよ」というものがあリます。仕事や勉強では、午前中にクリエイティブで負担の大きめなものを充てた方が効率的だ、ということでしょう。確かに文章を書くことの負担は大きいので、午前中にとりかかった方が良いのかもしれません。

 しかし、これは文章を書くプロセスからみると、違和感を覚えます。なぜならば、文章を考えることと書くことは違うからです。それらを分けて考えると、「午前中に執筆せよ」という教えはあまり良くないのではないか、と思います。

 文章を考えることとは、「何を書くか」つまりテーマを決めることです。文章に盛り込む内容まで含めて、この段階で設定していくことになります。大まかなテーマは与えられることはあるかもしれませんが、どんな内容を盛り込むかまでは自分で考えなければなりません。これは、「考えて出てくるもの」というよりも、「考えが降りてくるもの」ではないでしょうか。ウンウンうなってひねり出そうとしても、何も出てこないかもしれませんい。むしろ、ある時にとつぜんひらめくまでジックリと待つのが良いと思います。

 そのためには、降りてくるまでの時間と、頭の中に必要な情報を満たしておくことが必要です。そこで、朝のうちに必要な情報を頭に入れておき、あとは考えが降りてくるのを待つのです。もちろん、ただ何もせず待つのではなく、仕事など普通に過ごしても大丈夫です。もちろん、午前中にふさわしい勉強や仕事もあるから、それをするのが望ましいでしょう。そうして過ごしているうちに、ある時にフッと考えが降りてくれば、逃さずメモをしておくのです。もちろん、メモのための準備は常にしておかなければなりません。

 そして、午前中にある程度の考えが降りてきた段階で、午後から文章を書きます。書く内容はすでに降りてきているので、あとは書くという作業をすることになります。作業なので、その負担は決して大きいわけではなく、午後でも十分にこなせると思います。

 午前中に書こうとしてしまうと、何が起きるでしょうか。書くことが決まっていない状態で、考えることと書くことを同時に進めていかなければならないので、負担がも大きくなります。もちろん、結果的に考えがまとまらないリスクもあるでしょう。もちろん、午前中に考えが降りてこないかもしれませんが、時間が長いことと通常の仕事はしていることから、ムダになる部分は少なくて済みます。

 こうしたことから、午前と午後で文章を書き進めていくことの方が効果も大きく効率も高いのではないでしょうか。そして、このプロセスを一日一日積み重ねていくことで、何日かかけて長文が完成に至るのです。

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