金曜コラム「文章、プレゼンの基礎」第21回:落ち着きを取り戻す方法を見つけよう
プレゼンテーションの時は、高い緊張感に包まれます。特に、学生を対象としたコンテストに出場する場合は、審査員も専門家が真剣な眼差しでプレゼンテーションを見ているので、どうしても学生は雰囲気に飲まれてしまう可能性があります。
ハーサルを積み重ねていた場合でも、想定していなかったような事態が起こることは十分にあるので、そうした時にどうやって乗り切るのかが大変重要になります。例えば、進行のスケジュールが大きく変わったり、順序が入れ替わったり、前のグループが大きな反響を巻き起こすということが起こるかもしれません。想定外のことが起こると、どうしても落ち着きを失ってしまいます。その結果、話すべき内容が飛んでしまったり、話すスピードが速くなったり して、ますます落ち着くことができなくなります。自分自身のコントロールを失ってしまい、そのまま最後まで進んでしまい、終わった後に我に返って落胆するような場合もあります。
このようなことが起こらないよう、どのようにすれば落ち着いて話せるかを述べたいと思います。主に3つあります。
1つは、ハードルを上げすぎないことです。どれだけリハーサルをしても、想定外のことは起きます。「本番ですべてが完璧に出来る」と過剰に期待することは危険です。オリンピック選手や全国大会レベルの人々は日々猛練習を重ねています。しかし、それでも実力を発揮できないことがあります。運に左右されることもあるでしょう。
2つは、途中経過をあまり気にしないことです。本番中にミスをしたと思っても、聴衆は意外と分かっていないこともあります。それで調子を崩してしまうと、自ら墓穴を掘ってしまいかねません。「起きたことは仕方ない」「できるのは、今から力を発揮すること」という気持ちで、これからのことに集中する方が良いでしょう。
3つは、 聴衆の目線から自分を見つめてみることです。私自身も、講義で話しているとついつい速くなってしまったり詰まってしまったりすることがあります。そうした時に、「ああ、自分は慌てているなー」と、自分のことを外から冷静に見ていることに気づきます。それに気づくことで、意外と自分が冷静になっていることも認識できるので、話のスピードを元に戻すことができます。
このように、落ち着かなくなると話がつい速くなってしまいます。「落ち着け!」と言い聞かせても難しいかもしれないので、ここで述べたことを参考にしながら落ち着ける方法を自分なりに探していただきたいと思います。