水曜コラム「今週前半のニュース」第4回:公務員のサービス残業をなくすことはきわめて重要
今週前半も多くのニュースにコメントをしましたが、今回は次のニュースを改めて取りあげたいと思います。
【河野大臣に聞く】サービス残業が横行する霞が関、どう働き方改革を進めるのか?
このニュースについて、私は次のようにコメントをしました。
すぐに活躍したい若手も多く、過度な年功序列の見直しや風通しの良い職場づくりも重要課題だと思う。
サービス残業は民間企業にもあると思いますが、何よりもルールを守るべき公務員にも全くないわけではありません。特に、国家公務員のキャリア官僚は多くサービス残業があると指摘されています(「サービス」という言葉のつかない通常の残業も多いです)。ただ、それはサービス残業と扱われているのではなく、自己研鑽のための自主的な居残りという形のようです。とはいえ、それは形式的なものであり、実質的にはサービス残業と言ってもよいものもあるでしょう。
私の地方公務員の頃の経験では、「サービス残業」として問題視しなければならない状況は特になかったと記憶しています。終業時刻は17時15分でしたが、チャイムと共に急いで帰るわけではなく、少し談笑したり片付けをしたり…といった感じで、それはもちろん残業ではありません。
しかし、学生と接して思うのは、サービス残業に強い違和感を持っているということです。今の若い人たちの感覚かどうかは分かりませんが、少なくとも自分たちの世代よりも強いことは確かです。
もちろん「ブラック企業」「ブラックバイト」などの言葉が最近出てきているので、昔はそれほど問題視されていなかったのかもしれません。しかし、サービス残業への対応は職場環境を象徴するものとして、以前より重要であることは間違いないと思います。
コメントでは、年功序列や風通し良い職場づくりについて述べました。これは記事にはなかった点ですが、学生とのコミュニケーションの中で強く感じる部分です。年功序列が強すぎると、若手が「若いから」というだけでなかなか活躍できません。確かに経験不足はありますが、若手ならではの発想もあります。幹部への抜擢までいかなくても、若手の発想や行動力を上司やトップが理解し、生かせる風通しの良い職場環境があれば、公務員の魅力はますます高まるのではないかと思います。