木曜コラム「公務員の仕事」第39回:公務員における女性登用
東京五輪・パラリンピック組織委員会の森前会長が失言で大きな批判を受けて辞任し、先ほど新会長として橋本聖子氏が選ばれたとの報道がありました。この件については以前の投稿でも述べましたが、今回は公務員の仕事における女性登用の現状について、私の経験の範囲で述べたいと思います。
市町村における男女共同参画を推進する場面としては、地域・職場・家庭の3つがあります。地域では、町内会やPTAなどにおけるリーダーや役員への女性の参画が重視されています。職場と家庭は「ワーク・ライフ・バランス」という言葉があるように、男女ともに仕事と家庭の両立を図ることが重要です。従来は「男は仕事、女は家庭」といった意識が強く、男性がバリバリ働いて給料を稼ぐ一方で女性は家事や育児などをしてもらうことが多かったと思います。しかし、「イクメン」という言葉も広がったように男性も家事や育児に積極的に参画し、女性も仕事を通じて社会で活躍することが求められています。そこで、男性と女性がそれぞれ仕事と家庭の両立を図るために、男性の育児休業や勤務時間の軽減、料理や育児教室の開催などが行われています。女性に関しても管理職への登用など仕事における活躍の促進が進められています。
このような政策を進める市町村では、勤務する公務員自身が率先していかなければなりません。男性育児休暇の取得や女性管理職の登用などに積極的な姿勢で取り組んでいます。私が勤めていた市役所でも、育児休暇を取得した男性や女性管理職などの実績を挙げています。
ただし、全体の傾向としてはまだまだ道半ばと言ったところです。国・都道府県・市町村いずれの公務員も、一定の役職に就く女性の割合は政府が示している目標を下回っています。着実に上昇はしているものの、力強い動きにはなっていないようです。
私も、女性管理職の方とお話しする機会はありますが、素晴らしい活躍をしておられます。これまで性別で管理職の機会が制約されていたのであれば、実にもったいないことだと実感します。もちろん、男性の管理職も素晴らしい方ばかりです。男性だから、女性だから…という固定観念ではなく、個人として管理職にふさわしい方を積極的に登用することが大切だと思います。かつての固定観念が邪魔をしているのであれば、それを意図的に除去するくらいどん欲に目標を追求してほしいと感じています。