日曜コラム「マイ・オピニオン」第39回:「月刊エネルギーレビュー」での連載がスタートしました

 今年1月から「月刊エネルギーレビュー」で連載「立地地元の今」がスタートしました。既にご覧頂いている方もいらっしゃるかもしれませんが、全国の原子力発電所立地市町村の持続可能性に焦点を当て、さまざまな側面から考察していこうというテーマです。

 そもそも「持続可能性」という言葉もいろいろな使われ方をします。多くの場合は環境面が中心になっていますが、この連載では経済の面を中心としています。原子力発電所立地地域は大都市から離れた小規模の市町村に立地していることが多く、人口減少が急速に進むことで「消滅可能性都市」などと言われているからです。したがって、環境面よりも経済面での活動が成り立たなくなる持続可能性の危機の方が重要ではないかと考えています。

 「消滅可能性都市」とは日本創成会議が定義したもので、日本の約半分の市町村が指定されています。詳しくは中公新書「地方消滅」(増田寛也編、2014年)をご覧ください。この本は人口減少を「消滅可能性」というレベルの危機感に高め、消滅可能性のある市町村を具体的に挙げた点で大きなインパクトを世に与えました。特にその中でも、東京都豊島区が大都市にあるにもかかわらず、消滅可能性都市とされたことで注目を集め、その後の対策などに繋がっています。また、国全体で進められている地方創生も、この本が大きなきっかけになっています。

 詳しくは月刊エネルギーレビューをご覧いただきたいのですが、原子力発電所立地地域は特にこの消滅可能性都市が多く、他の地域よりも強い危機意識を持たなければいけないと考えています。さらに、2011年の東京電力福島第1原子力発電所の事故以降、国内の原子力発電所が稼働停止や廃炉などに直面し、地域の衰退が懸念されています。そうした面でも原子力発電所立地地域の持続可能性について知ることが大変重要と考え、今回の連載に至りました。

 連載はまだ始まったばかりですが、これまで人口の動向について少し掘り下げた考察をしています、関心があれば是非ご覧頂き、また今後の連載にもご期待いただきたいと思います。

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