日曜コラム「マイ・オピニオン」第40回:新年度からのオンライン授業のツールを考えてみる
新型コロナウイルスから1年を経過し、状況はなかなか改善していませんが、大学もいよいよ新年度・新学期を迎えることになりました。昨年度は講義の準備がほぼできた段階で状況が一変したため、新年度の対応にもバタバタしました。そして、教員も学生も慣れるまでしばらく時間がかかりました。一方、今年度は状況が改善していないのは残念なのですが既に昨年度の経験と準備期間もあったので、オンライン事業でもしっかりと成果を出さなければいけないと思っています。
そこで考えなければならないのは、オンライン授業のためのツールとして何を使うかです。会議をオンラインでする時も同じですが、主なツールとしてMcrosoft Teams、Webex Meetings、Zoomの3種類がメジャーなものではないかと思います。私も授業でも使い分けてみたり、会議でも主催者ごとにいろいろなシステムを使っているので、徐々にそれぞれの長所と短所が分かってきました。比較を詳しく紹介しているサイトもたくさんありますので、少し繰り返しになっているところもありますが、あくまでも私の目線で、多少違って視点を入れて、それぞれの長所や短所を紹介してみたいと思います。
まず、Mcrosoft Teamsです。これはMcrosoft社製ということもあり、仕事でも多く導入されています。そして、文章はOffice、パソコンはWindowsを使うことが圧倒的に多いので、仕事を進めるうえで非常に楽で、特にofficeはリアルタイム共同編集なども容易にすることができます。そこで、まさにTeam単位で、そしてオンラインで文書を一緒に作り上げるといった作業には非常に強いのではないかと思います。
逆にデメリットですが、これは私のパソコンの問題かもしれませんが、リソースをたくさん使うせいか通信のトラブルが最も多く発生したことです(私のPCはメモリ8GBです)。現地に出張することができない会議の場合オンラインで参加せざるを得ませんが、その時に音声が途切れることが最も多かったのがこのシステムです。通信環境の問題もあるのかもしれませんが、仕事で使うため有線LANで接続をしており、他のシステムでは起きませんでした。接続の問題が発生するのです容量が少ないので、そう感じています。
次にWebex Meetingsです。これは私が講義で最も多く使っているシステムです。メリットは安定していることだと思います。Webex Meetingsを使って、これまで通信が途絶えたことはありませんでした。大人数の講義でも長時間の講義でも、問題なく動作しています。そして、最近では新しい機能が次々に追加されています。例えばブレークアウトセッションはゼミなどでグループワークをするときに最も役立つのですが、当初はWebex Meetingsになかったので、ゼミに限ってZoomを使っていました。しかし、今はWebex Meetingsでも使えるので、来年度はこれを統一的に使いたいと思っています。さらに、チャット機能なども統合された新しいアプリになったので、ゼミ活動では時間内だけでなく時間外でも情報のやり取りが簡単にできるようになりました。
ただ、もう一つ進歩してほしい機能があります。それは、ブレイクアウトセッションでメンバーが自由にグループを移動できる機能がほしいです。実はZoomではこの機能が最近付いたいるので、今後はWebex Meetingsでも対応してほしいところです。そうすると学生同士のコミュニケーションも、さらに主体性が高まると思います。
最後にZoomです。これは、最もオンライン会議で使われているアプリではないかと思います。接続も安定していますし、とても使いやすいです。また、先ほども書きましたがブレークアウトセッションが使えて、しかもグループ間の移動を参加者が自由にできる機能も付いているところが非常に良いと思います(まだ実際に使ったことはありませんが…)
なお、デメリットですが、オンライン会議以外の時間にチャット機能を使えないことです(別のアプリと組み合わせで使えばできるのかもしれませんが、学生とのコミュニケーションを考えると、あまり複雑なことは避けたいです)。ゼミの運営においては時間中の活用には大変有益なものの、それ以外の時間帯にも組み合わせて活用するのは少し足りない印象があります。
以上、3つのオンラインアプリについて、私なりに長所と短所を紹介しました。それぞれの使い方によって、長所も短所も異なってくると思いますし、また他のアプリもあるのですが、あくまでも私目線で私が使った限りでの印象としてご了解ください。また今後これらのアプリも新たな機能がさらに追加されてくると思います。これまで使ってきたアプリをそのまま使い続けるても良いかもしれませんが、いずれも劇的な変化をしています。さらに機能を調べて、より使いやすい仕組みを使っていきたいと考えています