金曜コラム「文章、プレゼンの基礎」第22回:アイデアのプロセスと書くプロセスとを交互に繰り返して文章を書き進める
文章を書くには、「何を書くか」「どう書くか」の2つの作業があると思います。前者は書く内容を決めるもので、テーマや自分の意見、構成といった大きな内容から、アイデア、事例など細かなコンテンツまで、幅広くあります。手順としては大きいところから細かいところへ考えを深めていくプロセスになるでしょう。
一方、後者は実際に書くことです。表現やニュアンス、使う単語の選択などを考えながら書いていきます。読者層によって、また、どんな目的で読んでもらいたいかによって、書き方も変わってくると思います。
文章を書くのは、おおよそこれら2つの作業に分けられますが、私はこれらを交互に進めていて、着実に書き進めるには良い方法がだと思うので紹介します。
まず、前者のうち、テーマや自分の意見、構成といった大きな内容は書く前にしっかりと決めておきます。そうしないと書きながら内容がぶれてしまうので分かりやすい文章ができません。
大きな内容が固まれば、次にするのは翌日に書く細かい内容を考えることです。つまり、前者のアイデア、事例など細かなコンテンツまでとなります。翌日に書く部分に限っているので、おおよその内容がイメージできると思います。ひらめきの部分もあるので、じっくり取り組んでも考えが浮かぶわけではありません。通常の仕事や生活をしながら、思いついたらメモをするような形で良いでしょう。
そして、翌日にその目もに基づいて書いていくのです。これは後者のプロセスになります。書くことは前日に固まっているので、あとは表現の問題に注力することができます。内容と表現を同時に考えることは大変ですが、このように分けることによって執筆が進むわけです。
さらに、書きながら翌日に書くためのアイデアを思いついたらメモします。当日の執筆を進めながら翌日のメモを作ることになるので、執筆が止まることなくメモを作れます。さらに、これが翌日に執筆する部分となり、同時にその次の日のアイデアを考えることになります。
このように、書く内容を考えるプロセスと書くプロセスを分けて負担を減らすとともに、交互に繰り返すことで着実に執筆を進めていくのが適切な方法だと思っています。もちろん書き方にはさまざまなスタイルがあるので、私の方法を誰にも当てはまるものと勧めるわけではありません。ただし、書くことに慣れておらず、スタイルの確立してしない方には1つの参考になるのではないかと思います。