日曜コラム「マイ・オピニオン」第43回:スマホがあればすべての仕事ができるが、どこまでスマホを活用すべきか?
仕事に対するイメージが新型コロナの影響で大きく変わっていますが、「オフィス通勤から在宅へ」の変化以前に「パソコンからスマホへ」への変化が進んできました。メールチェックや資料の閲覧くらいならスマホで十分です。また、調べ物やスケジュール管理、もちろん連絡もスマホでできます。ポケットにスマホを入れておけば、(ネットサーフィンの誘惑に負ける人を除いて)、かなりの仕事をこなすことができるでしょう。
さらに、電子書籍で読書をしたり、文章も作成することができます。ここまで可能ならば、ほとんどの仕事はスマホでできると思っています。 ただし、パソコンがまったく不要になるかと言えば、まだそこまでではありません。例えば、文書を整えるのはパソコンが必要です。文章はできていても適切なレイアウトに文章を落とし込んでいくには、スマホのアプリでは不便です(まったくできないわけではありませんが、パソコンの方が圧倒的に便利です)。また、表計算でグラフを作成したり、表のかたちを整えたりするのもパソコンが必要になります。スライド作成でも、文章は作れますが適切な位置に適切な枠の大きさで配置するにはスマホは不便です。こうした作業のためには、今なおパソコンの大画面と処理能力が必要になります。
とはいえ、パソコンが必要なシーンはかなり限られるようになりました。文章もグラフ・表も、スライドも最後の調整をパソコンで行う段階まではスマホでほぼ進められるでしょう。
そうなると、スマホを使っていつでも、どこでも仕事ができるようになります。良いことかどうかは分かりませんが、仕事には勤務時間があるようにスマホにも仕事の情報を意図的に遮断しなければ、いつまでも仕事ができる(仕事しなければならない)状態になってしまいます。私は遮断しない方なので、なかなか気持ちがオフにならないので、そうした自分の性格に困っているところです。
ただ、仕事しやすい環境はスマホの方が有利だとも思います。スマホならヨコになっても画面を見て文字を入力できますし(仕事への姿勢として良いかどうかは分かりませんが)、電車に乗っていても(シートに座らなくても)できます。パソコンの場合は、ノートを持ち運ぶことはできてもヨコになったり立っていたりする時には操作できません。身体をリラックスさせた状態、また日常と違った雰囲気でリラックスして仕事ができるのがスマホのメリットだと思います。
もちろん、スマホでできることはほとんどパソコンでもできるので、わざわざスマホを使う必要はない、と思われるかもしれません。しかし、スマホは仕事ができる環境を広げてくれるので、パソコンを使えない時間帯にも仕事ができる分、早く仕事を終えれば時間を有効に使えます。
このように、スマホを仕事に使える範囲は広がっています(もちろん仕事の内容によって多様ですが、広がっていることは間違いないでしょう)。ただ、それで仕事漬けになるか仕事から解放されるか、両方の可能性があると思います。仕事に対するスタンスをしっかり固めてから、可能な限りスマホを活用した仕事をオススメします。