火曜コラム「オススメ書籍」第44回:『地域経済総覧』東洋経済新報社
先週の投稿で「都市データパック」を紹介しましたので、その姉妹版とも言える『地域経済総覧』もここで取り上げます。
いずれも市町村のデータ集という意味では同じものです。ただ、都市データパックは市町村ごとにデータの一覧が掲載されているのに対して、地域経済総覧はデータごとに市町村の数字が並んでいます。なお、データの種類はまったく同じではありません。
そして、都市データパックはランキングが豊富です。データごとの順位に加えて「住みよさランキング」や「財政健全度ランキング」など、興味深い特集記事もあります。これに対して地域経済総覧は、ランキングなどはごく一部のデータに限られています。味気ない感じもしますが、数字の掲載という本分を貫いていると言えるでしょう。
したがって、都市データパックは特定の市町村についてさまざまなデータを知りたい場合やランキングが気になる方には有益な書籍です。一方、地域経済総覧は特定のデータについてさまざまな市町村の状況を知りたい場合に有益です。このように使い分けながら活用できると思います。
ただし、都市データパックもそうですが、地域経済総覧も価格は高めです。最新の2021年版が13200円です(電子版は11880円)。個人で買うのは少し躊躇してしまうかもしれません。
また、総務省から『統計で見る市区町村のすがた』というデータ集も発行されています。こちらは総務省のホームページから無料でダウンロードできますし、Excelファイルなので加工が容易です。こちらを使わない手はありませんので、まずは総務省のデータ集で必要なデータを得られるか確認し、できない場合に地域経済総覧を使うなどの方法が良いでしょう。
ただ、Excelには画像を表計算シートに変換する機能もあるので(正確に変換されているか確認は必要ですが)以前に比べれば入力は格段に楽なのではないかと思います。