土曜コラム「今週後半のニュース」第44回:辞令交付もペーパーレス化の時代
今週の後半も多くのニュースにコメントをしましたが、今回は次のニュースを改めて取りあげたいと思います。
このニュースについて、私は次のようにコメントをしました。
確かに辞令に使う紙の量も多い。ペーパーレス化は味気ない印象もあるが、今後のために必要ではないか。
新型コロナウィルス蔓延のため、今年も対面の入学式や入社式は大きな制約を受けています。昨年は式典が中止になってしまったところも多かったようなので、今年はいろいろな工夫をこらした式典になり、ニュースでも取りあげられていました。オンラインでの入社式が多かったようです。
このニュースは埼玉県庁のケースです。知事の訓示を動画で見たというのは、それほど珍しくないと思いますが、辞令をペーパーレス化したところが驚きでした。私も事例は何度ももらいましたが、トップから直接受け取ることで「頑張ろう」という気持ちになりますし、大切なものなので厚手の紙を使っています。もちろん、全部保管しています。
そのため、ペーパーレス化したということは、トップから受け取る機会がなくなり、保管が難しくなったことも意味していると思います。これまで30年近くにわたって辞令を受け取っていた経験があるので、やはりペーパレス化は味気なく感じるものです。
しかし、辞令は異動や昇格する全職員に交付されます。複数の部署を兼務したり、兼務を解かれたりする職員には複数の辞令が交付されることになります。厚手の紙なので、かなりボリュームも大きいです。これがペーパーレス化されれば、かなりの紙の削減になるのではないでしょうか。もちろん、仕事全体で使う紙の量はこれをはるかに超えます。しかし、辞令という職員の命とも言えるものまでペーパーレス化されたのですから、これをペーパーレス化の象徴として仕事全体にペーパーレス化を意識・浸透させるきっかけになる、とも考えます。
今後、ペーパーレス化の大きなうねりの中で、この取り組みが広が着実に広がることを期待したいと思います。