土曜コラム「今週後半のニュース」第47回:施設のネーミングライツについて

 今週の後半も多くのニュースにコメントをしましたが、今回は次のニュースを改めて取りあげたいと思います。

名古屋のシンボル「テレビ塔」が5月1日から「中部電力 MIRAI TOWER」に 命名権契約で

 このニュースについて、私は次のようにコメントをしました。

 長い間親しまれてきたシンボルだけに、浸透には時間がかかるかもしれないが、浸透すれば宣伝の効果はかなり大きいのではないか。

 最近、多くの施設に企業名が入っていることに気づくことと思います。今回の記事もそうですが、これは「命名権(ネーミング・ライツ)」に基づいて名付けられたものです。

 ネーミング・ライツは、名付ける方にも名付けられる方にもメリットがある、ウィン・ウィンの仕組みがあります。名付ける方にとっては、大きな宣伝効果があります。その施設でイベントが開催されると、イベントの宣伝とともに名前の付いた企業の宣伝にもなります。野球場の壁という壁に広告が書かれていますし、プロサッカーやテニス選手やプロゴルファーのユニフォームにも企業のロゴがたくさん付いています。それと同じように、施設名がそのまま企業の大きな宣伝になります。

 一方、名付けられる方には、広告料収入が発生します。施設の維持管理や補修などに多額の費用がかかりますが、その一部をネーミング・ライツの収入によって確保することができます。

 最近では自治体のホームページや封筒に企業の広告を掲載したり、窓口の案内板に広告(デジタル・サイネージ)を流したりするなど、さまざまな機会を捉えて広告料収入の獲得に力を入れています。ネーミング・ライツもその一環です。

 ただし、地方の施設ではなかなかネーミング・ライツが浸透しません。イベントが少なかったり、集客が少ないため広告の効果が必ずしも大きくないからです。

 今回の記事は名古屋のテレビ塔ですから、大都市のシンボルとも言えるものです。そして、名古屋を代表する企業の名前がつきましたので、広告の効果はかなり大きいと思います。ただし、裏を返せば、これまでの施設名があまりにも定着しているので、ネーミング・ライツの名前が浸透するには時間もかかりそうな気がします。

 何かネーミング・ライツの略称や愛称のようなものがあれば、さらに浸透しやすくなるのではないか、と感じました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。