連載企画:誰でも無理なく合格できる!公務員試験の勉強術(第2回)「復習カレンダーを作ろう」
公務員試験に限らず、「復習」は勉強の効果を高めるために不可欠なものです。人間は1度覚えたことを、意外とすぐに忘れてしまいます。「自分はなんて記憶力が弱いのだろう」と嘆いている人は多いと思いますが、実際は一部の天才を除いて皆同じくらいなのです。有名なのが「エビングハウスの忘却曲線」で、学習して20分後には半分近く忘れてしまうそうです(逆に言えば、人間は忘れたいことを自然に忘れさせてくれる、というありがたい面もあります)。
公務員試験では暗記科目が多いので、覚えたことを忘れてしまうのは致命的です。しかも、日常生活に支障のない知識が多いので、忘れたくなくても勝手に脳が「忘れてもいいこと」と判断して記憶から消去してしまいます。そこで、暗記科目は試験本番の直前に行うのが良いと言われていますが、本番20分前に全部覚えようとする人はさすがにいません。そこで、忘れることを防ぐための対応が必要になります。それが「復習」です。
大切なのは、復習のタイミングです。さまざまな方法がネットや書籍で紹介されていますが、復習のベストなタイミングを大まかに言えば、次の4回(すべて初めて勉強した日からの経過日)になります。
1回目…1日後(翌日)
2回目…1週間後(翌週)
3回目…2週間後(翌々週)
4回目…4週間後(だいたい翌月)
分かりやすさを重視して、上記のタイミングにしました。そして、このタイミングで復習を確実にするためには3つの工夫がオススメです。
1つは、復習カレンダーの使用です。「今日は〇月〇日に勉強した分の1回目の復習、△月△日に勉強した分の2回目の復習…」などとカレンダーに書き込んでおくことと、復習用の教材に何月何日に初めて学習したかを明記しておくことが必要です。アプリでも、自動的に最善のタイミングで復習させてくれるものがあるので、使ってみるのも良いかもしれません。
次の工夫は、復習を何時ごろにするか、ということです。よく「寝る前は記憶のゴールデンタイム」と言われます。そこで、寝る前の時間は復習にもちろん充てたいのですが、全部の復習を寝る前に一気にするのは負担が大きいので、必ずしも効果的ではないと思います。なので、3回に分けることをオススメします。1回目の復習は、昼前。昼食後に仮眠を取れば午後もスッキリできますし、昼寝の前なので記憶のゴールデンタイムにもなります。この時間帯には、2週間前に勉強したことを復習します。
次に、夕食前には4週間前の復習をします。ここは寝る前の時間ではありませんが、これまで復習してきたことの総仕上げとして、少ない負担で記憶の定着にダメ押しをすることができるでしょう。
そして、寝る前に前日と1週間前の復習をすることです。最大のゴールデンタイムは、最も大切な復習に充てることになります。
このような形で、復習のタイミングを分散するのです。毎日4回分の復習になりますが、負担が減りますし、復習の必要性が高いものを記憶のゴールデンタイムに配置できるので、ベストだと思います。