連載企画:面接で差をつける!地方公務員の注目ニュース「

 このコーナーでは、今週ツイートしたニュース記事の中から特に印象に残った1つをピックアップして、掘り下げてみたいと思います。
 今週は、次の記事を取り上げたいと思います。

上場企業の女性役員「2030年に30%以上めざす」 首相が目標

 この記事について、私は次のようなコメントをしました。

 新たな目標も大切。だが、これまでの取り組みの検証や目標達成による社会像の明確化も必要ではないか。
 

 以下、コメントします。「男女共同参画」「女性活躍」という分野で、こうした数値目標はたくさん挙げられてきました。女性の議員割合、管理職割合など、さまざまな分野で中心的な担い手の割合を増やそうという目標は、とても重要なものだと思います。

 私の周辺でも、女性の管理職への登用を積極的に進め、「史上初の女性課長」など「史上初」のとなる実例があちこちで出ています。それが報道されるたびに「女性の活躍は大切なことだ」と思うと同時に、「史上初を意識してアピールに必死なのかもしれない」とも感じる今日この頃です。

 しかしながら、個々の事例が注目される一方で、全体の進捗は決して順調とは言えません。掲げられている目標をクリヤーしたという報告はほとんど聞かれず、大半は「割合は徐々に高まってきているものの、目標には届かなかった」という結果に終わっています。こうした状況を見るたびに、私は「目標が高すぎたのか、努力が足りなかったのか、いずれにしても現状をしっかりと分析・検証して達成可能な目標を立てるべき」と考えています。

 目標は達成するために立てるものであり、達成できない目標はかえって有害だと思います。具体的な行動に移すためには、「頑張れば目標が達成できる」という見通しが必要だからです。例えば、50代の私が「100メートルを9秒台で走る」という目標を立てても、何のモチベーションも湧かないのは、絶対不可能だからです(もちろん、大谷翔平選手のように「誰にもまねできない」時限で活躍する人もいるので、あまり自分の限界を狭くするのも良くないのかもしれませんが…)。そこまで極端ではないものの、女性に関する目標も達成できそうにない水準では行動につながりません。むしろ、達成しないことが常態化して目標の意味さえなくなってしまうかもしれません。

 そのため、新しい目標を立てる場合も慎重さが必要です。これまでの目標を達成できなかったから別の目標を立てることは、新たなモチベーションに繋がれば良い半面、同じような失敗を繰り返すものであってはいけないと思います。特に男女共同参画や女性活躍の分野にはそうした危険性が多いのではないでしょうか。

 そこで、今回の新たな目標についても、これまでの目標設定で得た課題をしっかり把握し、それを乗り越える契機として設定していことが大切です。私のコメントは、そのような意図で述べたものです。

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