連載企画:リアル体験!地方公務員の仕事紹介「フジ27時間テレビの100キロマラソンは、公務員のキャリアそのもの」
昨日(8月20日)の夜、家族でテレビを見ていたら、フジテレビで先日放送された27時間テレビの100キロマラソンの総集編がありました。リアルタイムではマラソンの様子をあまり見ていませんでしたが、当日の様子がネットニュースにもなっていて後になって興味が出てきたので、ちょうど良いタイミングで昨日の放送を最後まで見ました。今日のネットニュースにも少し出ていましたので、昨日の放送も大きな話題になったと思います。
私が注目したのは、ネットニュースに紹介されているところではなく、そのルールと展開です。100キロマラソンレースを芸能人が行う、という試みは聞いたことがありません。レースでなくても100キロを完走した芸能人は、皆無に近いと思います。それを、いきなりレースで、しかも真夏に行うことはかなり厳しいでしょう。そこで、10キロごとに休憩を必ず取り、全員が集団となって一定のペースで走ること、そして、残り3キロで優勝を争うことが、今回のマラソンの特徴でした。途中、ペースを保てなくなった方や、休憩地点でドクターストップがかかった場合には、リタイアとなります。結局、当初の18人から最終的には6人が残り、最後までデッドヒートを繰り広げ、優勝が決まりました。最後は、芸能人100キロマラソンらしく、感動的なシーンだったと思います。
この放送を見ていると、公務員のキャリアはまさに100キロマラソンのようだと感じました。まず、とても長いということでしょう。マラソンは距離が長いのですが、公務員のキャリアは期間がとてつもなく長いです。大卒の方は定年まで勤めれば、43年間の公務員生活です。どちらも、想像がつかない程の長さだということは共通しています。私の公務員生活はわずか14年間と、その3分の1程度にすぎませんが、それでも長く良い経験ができました。途方もない時間を、いかに継続するかが問われることになります。
次に、10キロごとに休憩を取り、休憩地点まで全員で助け合って走破を目指した点です。公務員でも、同期の職員はキャリアの前半で一定のポジションに至るまで全員で助け合い、励まし合いながら到達していく形になります。公務員の仕事はチームワークが重要で、同期の職員が同じ部署で働くことは多くありませんが、それでも同じ自治体で目標を共有して仕事をするので、部署は違ってもチームの一員として助け合い、励まし合うスピリットは同期の間にも存在すると言えるでしょう。
最後に、終盤で激しいレースが繰り広げられることです。長いキャリアも後半になってくればポジションが上がってきます。しかし、上位のポジションに就ける人の数も少なくなってくるので、同期でも少しづつ差がついてきます。もちろん、これまでの協力関係が全部壊れて一気に競争関係になるわけではないとしても、それぞれが良い形でゴールを迎えられるよう、ライバルに勝つためのレースに大きな力を注ぐことになります。
今回の100キロマラソンは、なるべく多くの人が完走できるような形になったと感じます。それは、長い距離を少しでも多くの人ができるだけ長く走ってほしい、という考えがあったからかもしれません。最初からレースをしていては、18人のうち6人も完走できなかったのではないでしょうか。公務員のキャリアも、できるだけ長い期間、高いパフォーマンスを発揮できる形にすることが大切です。現在のキャリアアップの仕組みは、(もちろん今後の課題も多々ありますが…)それなりに良く機能してきたのではないか、と思います。