金曜コラム「文章、プレゼンの基礎」第20回:できた文章はいったん寝かせてみる

 文章を書く時は、たいてい期限があります。大学のレポートもそうですし、雑誌の原稿なども期限があります。このような期限のある文章を書く時、ギリギリになって一気に書き上げる人が多いと思います。

 もちろん、「締め切り効果」といって、締め切りがモチベーションになるので、締め切りがあることのメリットも大きいと思っています(自ら出版する書籍の執筆は期限がないので、どうしても遅れがちになります)。勉強法などでも、締め切り効果を活用して一気に進める高等テクニックもあります。

 ただし、文章を書く時には一気に書き上げることも大切なのですが、書いたものを一度冷静になって見直すことも重要です。大きな見落としがあったり、書いている時に気づかなかったことなどを発見したりできるので、より良い文章にすることができます。

 もちろん、信頼できる人に読んでもらうのも1つの方ほどですが、やはり自分の名前で文章を書くので責任は自分で負うことになります。そのため、自分でも冷静に見直す余裕もあった方が良いです。

 そこで、文章を書く時は、2段階で締め切りを設定することをススメたいと思います。第一段階の締め切りは、文章をひと通り書くことです。残された時間が短いほど集中して一気に書き上げることもできます。

 そして、次の第二段階の締め切りまで、いったん文章から離れるのです。短い場合は1日、長い場合は1週間くらい、書いた文章を見ずに放置しておきます。そして、改めて文章を読んでみるのです。重大な見落としや新たな視点などが出てきたら、それを書き加えたり削除したりして、最後の仕上げを行います。いったん離れることで頭の中がリフレッシュされ、他の人が書いた文章を読むような感覚で冷静に読み直すことができるのです。

 もちろん、この方法は大きなメリットがあるのですが、決して容易ではありません。なぜならば、締め切りとは外から(先生や出版社から)与えられるものなので、自分で2段階の締め切りを設定しても締め切り効果が十分に発揮されるとは限りません。自己管理の得意な人は、ぜひ取り組んでみてください。また、自己管理が苦手な人は、第一段階の締め切りを強めに意識して執筆を進めるように心がけてください

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