公務員の仕事紹介:花火大会と祭りの動員(思い出)

お盆も終わり、再び仕事モードに入りつつありますが、かつての私の勤め先では夏に大型イベントが続きました。毎年8月16日に開催される「とうろう流しと大花火大会」、そして9月上旬に開催される「敦賀まつり」の2つです。

いずれも敦賀市の人口を上回る規模の人出があり、地元を代表する行事となっています。最近は新型コロナの影響で中止が続いており、先日の花火大会は久しぶりに開催する予定だったのが大雨のため中止となったようです。私も自宅から大きな花火が見えて、楽しみの1つでした。私のような市民はもちろん、市外からも臨時列車が出るなど多くの人手がある行事であるだけに、天候はどうしようもないとは言え今回の中止は特に残念です。9月の祭りも、すでに中止が決まっていると聞いています。

いずれにしても、私の地元では夏の終わりから秋の初めにかけて、大きなイベントが立て続けに開催されています。もちろん、これらは楽しい行事なのですが、市の職員にとっては仕事でもあります。つまり、動員がかかるのです。

例えば、花火大会では駐車場の整理や観客の誘導などを何度かしました。公共施設の駐車場を臨時に開放し、市外からの来訪客に使ってもらうのです。もちろんすべての駐車場で会場までのアクセスが必ずしも良いわけではないので、駐車場から臨時バスなども出ます。公平性にも注意し(クレームが来ることもある)、早く来た車が最もアクセスの良い駐車場を使えるように順序良く誘導していました。

また、観客の誘導をしたこともあります。花火が最も近くで見られる砂浜には、多くの人が押し寄せます。先に場所を取って大きなピクニックシートを敷いていたり、通路で立ち止まってしまったり、他の観客とトラブルになったり…、と観客の行動は主催者の思いどおりにならないものです。そこで、観客全員が気持ちよく花火大会を鑑賞できるよう、誘導をしていました(時々、誘導しているこちらが怒られることもありましたが…)。しかも、誘導の必要な場所はたいてい花火が近いところ。せっかく近い場所にいながら、仕事しなければならないので、花火大会を楽しむ余裕はありませんが、時々目に入る大きな花火だけで少し楽しめたことを思い出します。

次に、9月に開催される祭りです。これもやはり観客の誘導が多かったのですが、若手職員の頃に「カーニバル大行進」という団体でのダンスパフォーマンスに市役所(職員互助会)として出場しました(仕事そのものではありませんが、同僚や先輩・後輩と参加するので、仕事の感覚もありました)。毎年、ダンスの先生から指導を受けて、オリジナルのダンスを披露していました。150人のメンバーが揃ってダイナミックに踊る姿は圧巻で、観客からも大きな拍手をいただいたことを覚えています。普段は穏やかな人が元気に踊っていたり、なかなか話せない人たちと仲良くなったり…、と意外な楽しさも経験することができました。

なお、こうした行事への参加は基本的に「お手伝い」の感覚です。行事を主催する部署の職員が内容を分かりやすく説明してくれます。当日のスケジュールや参加者、役割分担、役割ごとの行動内容などがマニュアルに明記されているので、お手伝いする側も行動しやすかったです。

話が少しそれますが、公務員はこうしたマニュアル作りが非常に得意です。現在も大学教員としてさまざまな行事を主催したり手伝ったりしていますが、マニュアルの精度は公務員が関わっている方が圧倒的に高いと感じています。意外にも、公務員時代のそうしたスキルが今の仕事でも重宝されていると感じることがあります。

今回紹介したのは、普段の仕事とは少し違うもので、もちろん仕事の一環として参加してきましたが、なかなか楽しい、貴重な経験でした。読者の皆さんが地方公務員になった時も、それぞれの地域でこうした行事に参加する機会があるのではないかと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。