木曜コラム「公務員の仕事」第43回:私の経験ー初出勤の日までのドキドキ感

 公務員試験の内定をいただくのが民間企業よりも遅く、4年生の夏休みから年末にかけてになります。そのため、残りの学生生活を送れる期間が民間企業に就職する学生よりも短いと思うかもしれません。しかし、必ずしもそうではありません。

 民間企業の場合、内定先から課題が出されることがありますし、集まる機会もあるようです。企業によってまちまちですが、卒業までの間、課題に追われる可能性もあります。

 これに対して、公務員の場合は課題がないことがほとんどで、「何かしておいた方が良いことはありますか?」と聞くと「充実した学生生活を送ってください」と言われるくらいです。内定が決まった後は連絡すらほとんどなく「本当に合格したのか?」と疑問に感じるのではないでしょうか。私も年末に内定をいただいてから3月中旬に辞令交付式の案内を受け取るまで3か月も連絡がなかったと記憶しています。引っ越しも必要だったので、本当に入れるのか、不安に思ったものです。

 そうした気持ちのなかで4月1日を迎えたのですが、当日までどの部署に配属されるかは分かりません。私は辞令を受け、税務課に配属されることとなりました。その後、市長からの訓示などがあり、「プロ意識を持ちなさい」と言われたことを覚えています。社会人として、そして公務員として税金を預かり、税金から給料をいただく以上、特に強いプロ意識が必要なのだと気が引き締まりました。同期の職員も初めて会う人ばかりで、事務職員だけでなく保育士さんや看護師さんなどもいて、全員が一様に緊張していたと思います。

 その後、配属先の先輩が迎えにきてくださいました。私は税務課の場所も知らなかったので、ありがたかったです。部署ではまず配属される係の皆さんに挨拶し、その後、課の皆さん、部の皆さん、フロアの皆さんに挨拶に伺いました。学生時代は周りに同じ年齢の仲間ばかりでしたが、就職すると親や先生くらいの世代の方々と仕事をすることになります。そのため、コミュニケーションに慣れている人でも最初は戸惑うと思います。

 ただ、公務員はチームワークが大切なので、先輩はとても優しい方々ばかりでした。すぐにニックネームをつけていただき、溶け込んで仕事ができるよう配慮していただきました。もちろんメンバーや職場によって雰囲気が違うところもあり、私は先輩から「こんな良いメンバーが集まることはまずないよ、ここで良かったね」と言われました。確かに部署によって雰囲気もいろいろで、メンバーや仕事の内容で変わってくるようです。その後配属された部署や周囲の話から知りました。

 税務課では、まず証明書の交付手順を教えていただくとともに、税法の勉強などをしました。何も知らなければ仕事などできないので当然ですが、初めて聞く言葉も多くて少し大変だったと思います。これはすべての新社会人が経験するものですが、次第に慣れてくるので大丈夫です。

 来春から新年度が始まり、公務員になられる方もドキドキしているのではないかと思います。私のささやかな経験が何かのお役に立てば幸いです。

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