論文の技法:音声入力で「超」高速執筆

 パソコンで論文が執筆できるようになり、途中から書くことができたり、何度も修正できたりするなど、論文の執筆は飛躍的にラクになりました。いま、そこに、まったく新しいスタイルが加わろうとしています。音声入力です。

 コマーシャルでよく見ますが、スマートフォンに話しかけるだけで明日の天気を教えてくれたり、目覚まし時計を設定してくれます。それと同じように、音声入力では、スマートフォンに話しかけると、話した言葉がそのまま文字に変換されます。今日のブログも、ほとんどを音声入力で書きました。

 詳しい方法はいろいろなサイトで紹介されていますが、現在、最もオーソドックスなのが「Googleドキュメント」を使う方法です。スマートフォンとパソコン、いずれもアプリがあります。

 また、スマートフォンの場合、音声入力機能のついた日本語入力アプリが必要です。iphoneとipadには最初から入っています。Androidの場合は、Google日本語入力やsimejiなどの日本語入力アプリに音声入力機能が付いています。

 パソコンでは、windowsの日本語入力機能ではなく、Googleドキュメントの「ツール」を使うと正確な音声入力ができます。macbookには、osに日本語入力機能を使える設定ができるようです(私は使ったことがありませんが、紹介されているサイトを見ると大きな問題はないようです。個人的には使ってみたいのですが、macbookを使ったことがないので迷っているところです)。

 それぞれ特徴はありますが、私はsimejiを使っています。ほとんどの人はスマートフォンを持っているので、音声入力を使った執筆のための特別な負担は不要だと思います。

 次に、音声入力を使った執筆のプロセスを紹介します。まず、「どんなことを書くか」は前もって決めておきましょう。何も考えずにただ書いても、まともな論文はできません。それは、パソコンでも音声入力でも同じです。音声入力は準備まで省略してくれるわけではありません。

 その上で、いよいよ音声使って執筆します。スマートフォン・パソコンいずれかで良いのですが、私はスマートフォンを勧めます。パソコンと違ってスマートフォンは機器を立ち上げたり椅子に座って作業する必要がないので、いつでも、どこでも書けるからです。例えば、散歩中とか、部屋をウロウロしながら、布団の中で書くこともできます。私の場合は、リビングでソファーに座って、あるいは横になって書くことが多いです。パソコンでキーボードを使って入力するには厳しい姿勢ですが、スマートフォンに話しかけるのはまったく問題ありません。

 自転車もこぎ始める時に大きな力が必要ですが、動き始めると少しの力でも加速できます。論文の執筆も、気軽に書き始められればあとはスムーズに進みます。

 なお、正確に文字を入力するには、マイクの近くで、できるだけハッキリと話しかけるのが良いでしょう。驚くほど正確に入力できることが分かると思います。また、simejiにはテンやマルを自動で入力してくれる機能があります。これらも、だいたい正確に入れてくれます。

 パソコンで入力する場合も基本的には同じです。パソコンの前に座る必要がありますが、マイクに話しかけて入力します。ヘッドセットを使うとさらに正確ですが、必須ではありません(私は研究室で、1000円程度のミニスタンドマイクを使っています)。

 ひと通り入力が終わった後は、できた文章を確認し、必要な加筆修正を加えます。ここは、パソコンでキーボードを使う方が効率的です。広い画面を使うと直す箇所を探しやすく、カーソルを移動して直すことも素早く正確にできるからです。スマートフォンでも不可能ではありませんが、パソコンよりも多少手間がかかります。それでも、パソコンが開けない環境や提出期限が迫っている場合は、スマートフォンを使って直すことができます。

 ここでGoogleドキュメントの真価が発揮されます。スマートフォンで執筆した内容は、瞬時にパソコンにも反映されるのです(保存作業も必要ありません)。なので、加筆修正にもすぐ取りかかれます。もちろん、執筆の時にもスマートフォンではなくパソコンを使った場合は、パソコンのキーボードを使ってすぐに加筆修正することができます。

 ここで注意してほしいのは、キーボードを使って執筆した文章と音声入力で執筆した文章では、議論の展開や表現に多少の違いが出てくることです。おそらく、頭の使い方が話す時と書く時でやや異なるからだと思います。書く前の準備を出来るだけしっかりすれば最小限で済みますが、読んでみて違和感がある部分はきちんと直しましょう。いずれにしても、何度も読み返して納得できる形に修正してください。

 文章ができた後は、出するための形式に整えることになります。例えば、Word形式のファイルにしたり、図表や学籍番号・氏名等を挿入したりすることです。Googleドキュメントはそのままword形式に変換して保存することができます。また、Googleドキュメントの文章をコピーしてwordに貼り付けることも可能です(テキスト形式で貼り付けることを勧めます)。その後に図表や学籍番号を入れて、レポートの形式に整えましょう。

 私の体感では、音声入力はキーボードよりも倍以上の早さで執筆できます。それだけでなく、「いつでも、どこでも」書けるので、ちょっとした時間に(外出中でも、座らなくても)書き足していくことができます。最初は少し慣れが必要ですが、身に付けるメリットはとても大きいです。細かいノウハウは他のサイトも参考にして、ぜひとも音声入力による効率的なレポート入力をマスターしてください。

 なお、スマートフォンやパソコンの機能も日々、進化しています。もっと効率的な音声入力の方法が今後出てくるかもしれません。私も試行錯誤しながら、より良い方法があれば改めて紹介したいと思います。

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