木曜コラム「公務員の仕事」第5回-緊急投稿:選挙事務の大変さ
今週月曜日(6月22日)の投稿で選挙に行くことを勧めたが、思い返すと選挙事務はとても大変だった。
まず、勤務時間がとても長い。投票所は朝7時から夜8時まで開いている。交代制ではないから、準備も含めて10時間以上の勤務である。食事の時間だけはあるが、急いで食べて早く次の人が食べられるように配慮する。持ち場を離れるのは昼食と夕食だけで、合わせて1時間もないだろう。体力への負担は相当に大きい。
また、神経も使う。投票に来た人の確認、投票用紙の交付、投票箱への投票確認、それぞれの担当が正確に進めなければならない。また、静かで投票しやすい環境づくりも必要だ。これらの手順を間違えれば、大きな問題になる。本当に気を抜けない仕事だ。
このように、投票の仕事は体力的・精神的ともに負担の大きな仕事である。さらに、投票事務に加えて開票事務も割り当てられると、投票事務が終わった後に開票事務が深夜まで続く。選挙の種類にもよるが、私も深夜どころか明け方まで事務に従事したこともある。さらに、翌日(当日?)月曜日はもちろん休みなどなく通常業務なので、寝る時間もほとんどなかった。月曜日の通常業務も含めると、2日連続して仕事をしたような形になる(もちろん月曜日は残業せずに帰宅し、とにかく寝た)。
このように、選挙事務はかなりの体力と精神力を必要とする仕事である。選挙の多い年もあれば少ない年もあるし、選挙の種類(国・地方)によっても負担は異なるが、それほど大きな違いはない。とにかく選挙は大変だった。
ただ、この経験は貴重でもあった。今はもう選挙事務をすることはないが、選挙よりも体力と精神力を要する仕事に出会ったことはない。だから、選挙事務の経験があったから、今はどんな仕事でも乗り切れるのではないかと思っている。
また、選挙事務は自治体職員が総出で勤務するので、投票所ごとにさまざまな部署の職員が参加する。ふだん会ったり話したりしたことのない職員とのコミュニケーションが取れる、貴重な機会である。選挙事務は確かに緊張感があるけれども、有権者が来ない時間帯もあり、その時は職員同士でふだんの仕事の話などをしている。持ち場を離れることはできないが少しだけリラックスできる時間もあり、その時に自分が経験していない仕事について話が聞けるのも、良い経験となった。
選挙事務は確かに労働時間が長く、ブラックな感じがしないでもないが、そうした中でも何かを得ることができる機会でもあったことも、また確かである。