(新)水曜コラム「今週前半のニュース」第1回:男性の育児休業取得をどう進めていけばよいか?
今回から水曜日のコラムを「今週前半のニュース」として刷新し、ニュース紹介を水曜日と土曜日の2回行いたいと思います。
今週前半も多くのニュースにコメントをしましたが、今回は次のニュースを改めて取りあげたいと思います。
このニュースについて、私は次のようにコメントをしました。
無理に数字を上げる必要はないとしても、男性の育児参加を促す必要はある。男性の育休取得はトップのリーダーシップと上司の理解が必要。
この記事は、まさに今日の朝に紹介したものです。小泉進次郎環境大臣が育児休業を取得して話題になりましたが、国も地方も男性公務員の育児休業取得率を上げる取り組みを重点的に行っています。私自身が勤めていた頃は男性が取得するのはかなり稀なケースでした。それこそ、トップが職員を指名して育児休業を取ってもらうような形から始まったのではないかと思います。残念ながら今回の育児取得率ワースト5に福井県が入っているので、地域の特徴もあってなかなか男性の育児休業取得が進まない面もあるかもしれません。ただ、職員同士で結婚することはよくあるので、公務員の夫婦から子供が生まれた場合、どちらが休暇を取得しても行政組織上の影響はほとんど同じと言えます。そうした面からも、男性の育児休業がもう少し進んでも良いのではないかと思っています。
そのためには、トップのリーダーシップと上司の理解が必要です。小泉大臣が率先して育児休業を取得したことは、部下たる職員にとっては取得しやすい雰囲気ができるので、ありがたかったのではないでしょうか。また、上司の理解も大変重要です。出産はいつになるか分かりませんので、育児休業の取得は年度の途中になることも多くあります。仕事がある程度進んでいる段階で育児休業を取得されると、その後の仕事に大きな支障が出るかもしれません。そうなると、管理者としての上司が困ってしまうこともあるかと思います。
しかし、男性の育児参加は今や常識になっています。育児休業の取得も「仕事の方が優先だからケシカラン」となどいう時代ではなくなりつつあり、かけがえのない家族の時間を過ごすことの重要性も増していると思います。男性が育児休業を取得しやすいよう、1か月などの短期間にするとか、取得を義務化するなどの方向性も検討されていると聞きます。おそらく1か月ぐらいであれば職員が1人減っても仕事は課の中で何とか回していけるので、「お互い様」の気持ちをもって取得することも可能ではないでしょうか。また、生まれて1か月くらいが子育ての大変な時期にも当たります(特に第一子の場合は何をすればよいのか分からない点も多いでしょうし、24時間体制の子育てになるので、母親の負担も大変大きいです。また、その後の男性の育児参加を決定づける時期でもあるでしょう)。今回の新型コロナの影響でテレワークが普及しているので、休業期間中でも自宅で部分的な勤務をすることが可能になるのではないかと思います。
こうしたことから、男性の育児休業取得をいきなり年単位で取得することはまだ現実的に難しいかもしれませんが、まず1か月など短期間の育児休業を創設して取得させ、長期的な課題として男女とも同等の育児休業取得に近づけていくことが良いのではないかと思います。